東京国立博物館
ゴールデンウィーク中は何処も人出が追いので、比較的空いてると思われる東京国立博物館へ、夫婦で『大神社展』を見てきた。・・・・・・・・博物館の中を、相当歩いたつもりだが、9千歩、6kmだった。
東京国立博物館の創立は、明治5年(1872)に湯島聖堂で開催された文部省博物館としての博覧会(翌年のウィーン万博の予行練習を兼ね)が始まり。明治14年(1881)には、上野公園内旧寛永寺本坊跡地にコンドル設計の博物館が竣工するが、大正12年(1923)の震災で損壊する。その後、昭和13年(1938)に現:本館が完成する。終戦後は、所管が宮内庁より文部省に移り、名称も「帝国博物館」から「国立博物館」となる。・・・・・・・・・・・・“日本”の“お宝”の収蔵庫だ、貧乏人の私は、収蔵品の全てを時価換算するとどのくらいの額になるのか気になってしまう。 少なく見ても1000億円以上あるだろう? ひょっとすると、1兆円? いや、もっとあるかも?
①東京国立博物館本館・・・・・・・・・・・・旧東京帝室博物館本館。 震災後、公募により渡辺仁(銀座和光ビル、早稲田小学校などを設計)の設計で、昭和7年(1932)に着工し、昭和12年(1937)に竣工した。昭和初期に流行した鉄筋コンクリート造に和風の瓦屋根を載せた和洋折衷の建築様式である「帝冠建築」の代表的作品である。・・・・・・・・・本館そのものが重要文化財で、凄い! スゴイ!
・・・・・・・・・・・“帝国”の力を見せる正面大階段。 2階には貴賓室もある。
・・・・・・・・・・・・・展示室は天井も高く、余裕たっぷり!
②東京国立博物館表慶館・・・・・・・・・・・・・・・明治42年(1909)、東宮皇太子嘉仁親王(大正天皇)の成婚を祝う目的で開館した。設計は迎賓館赤坂離宮、旧竹田宮邸(高輪プリンスホテル洋館)を手掛けた片山東熊。 建物は明治時代末期を代表する洋風建築として重要文化財に指定されている。緑のドーム屋根が印象的な、女性的な建築だ。・・・・・・・・・・・・残念だが、ただいま休館中。
③東京国立博物館東洋館・・・・・・・・・昭和を代表する建築家:谷口吉郎(1904~1979)の設計で、昭和43年(1968)に開館した。中国、朝鮮半島から、東南アジア、エジプトなどの美術品を常設展示している。内部は5層の階段状の展示室からなり、変化のある空間を演出している。
④東京国立博物館法隆寺宝物殿・・・・・・・・・・・・・明治11年(1878)に法隆寺から皇室に献納された(戦後、国に移管された)「法隆寺献納宝物」300点を収蔵・展示している。宝物は正倉院御物よりも古い時代のものが多く、国宝・重文のオンパレードだ。・・・・・・・・・建物は、東洋館を設計した谷口吉郎の息子で谷口吉生が設計し、平成11年(1999)に竣工した。 親子それぞれの作品が同じ敷地内に在るのは、スゴイ!・・・・・・・・・・垂直・水平の線が強調されたシンプルな建物だが、落ち着いた空間を創っている。
⑤東京国立博物館平成館・・・・・・・・・・・・・皇太子徳仁親王(浩宮)の成婚を記念して、平成11年(1999)に開館した。設計は安井建築設計事務所。・・・・・・・・・1階の考古展示室と2階の特別展展示室がメインだ。・・・・・・・・・今日は「大神社展」で国宝・重文160点が展示されていた。お目当てを一目見るため、ここだけは人が多かった。・・・・・・・私のお目当ては、石上神宮の国宝「七支刀」。 しっかり見たが、金象嵌銘文が小さな文字で、読むことが難かしく、チョッピリ、残念!
⑥東京国立博物館便所・・・・・・・・・・正門の脇の木々の中に建つ半地下式の便所。“知る人ぞ知る”、昭和12年(1937)竣工の重文級の便所だ。・・・・・・・・・同じように、歴史ある半地下式便所は、港区の大門脇、九段会館脇(現在:使用禁止)に在る。
●・・・・・・・・・・・東京国立博物館の施設として、道路を挟み東京藝大音楽学部の隣りに黒田記念館 がある。こちらも、只今休館中。