信濃町~麻布十番
信濃町駅から、都営地下鉄大江戸線麻布十番駅まで、1万3千歩、10kmの散歩です。
①信濃町駅・・・・・・・・・・・・明治27年(1894)、甲武鉄道が新宿~牛込開通時に同時開業した。 明治39年(1906)、甲武鉄道の国有化により国鉄の駅となる。・・・・・・・・・・・現在は島式ホーム1面2線であるが、平成4年(1992)までは南側(下り線側)に神宮球場などが賑あう日の為の臨時ホームがあった。・・・・・・・・平成5年(1993)、岡田新一の設計により駅ビルが完成した。 駅ビルの工事は、私が在職していたゼネコンが施工し、中央線線路上の工事であるため、事故が起きないことを念じ、気にしていた。 これも、思い出の一つだ!
・・・・・・・・・・・・・・駅ビル側から見る下を走る中央線
②聖徳記念絵画館・・・・・・・・・幕末の明治天皇誕生から崩御まで、明治天皇の遺徳を80点の絵画により描き、展示している、専用美術館である。 天皇崩御後、旧青山練兵場の跡地に建設が計画され、大正15年(1926)に竣工した。・・・・・・・・・・・鉄筋コンクリート2階建て、高さ:約32m、幅:約112m、奥行き:約34mの大きな建物で、国の重要文化財に指定されている。 建物は2階建てで、1階は維持に必要な諸施設、2階は中央に巨大な広間があり、左右の展示室には40点ずつ絵画だけが展示されている。内部は国産の大理石を多用した壁と床、柱の無い大空間は荘厳な雰囲気を創出している。 建設当時の国力の反映か?
・・・・・・・・・・・・・・参考に、一昨年に撮影したドーム下の大理石の中央ホールの写真
③御観兵榎・・・・・・・・・・神宮外苑は戦前、青山練兵場だった。明治天皇は、明治22年(1889)の憲法発布観兵式、明治39年(1906)の日露戦役凱旋観兵式などを、この地で観兵した。その際、明治天皇の御座所がこの榎の西側に設けられていたので、この木を“御観兵榎”と名づけた。現在は二代目の榎である。・・・・・・・・・・100年以上前のこと、当時を懐かしむ人は生存していないだろう!
④外苑のイチョウ並木・・・・・・・・・・青山通りと絵画館を結ぶ、御存じ、4並列146本のイチョウ並木。植栽されたのは大正12年(1923)である。・・・・・・・・・・まだ、黄葉には早いが、銀杏拾いは始まっていた!
⑤青山霊園・・・・・・・・・・・青山・赤坂・六本木・麻布の地に囲まれた、墓地の一等地である。 私も、死したらここに眠りたいが、周囲の喧騒に、夜な夜な興奮して熟睡できないかも?
・・・・・・・・・・・・・・乃木将軍の墓所・・・・・・・・・・霊園の一角に、死後は神格化され、軍神として神社に祀られた将軍:乃木希典の墓所があった。 日露戦争では、第三軍司令官として出征したが苦戦し、友人の児玉源太郎の力でかろうじて勝利したが、6万人に近い死者を出した。 “英雄か、愚将か?” 日露戦の後は、学習院院長に就任し、皇族の子弟の教育にあたっていた。 明治天皇の葬儀の日に夫人と共に自決した。・・・・・・・・自然石で作られた夫人と一対の墓石は、将軍の生き方を象徴しているようだ。
⑥Hardy Barracks・・・・・・・・・・・・・青山霊園の向かい六本木7丁目にある、フェンスで囲われた、米国陸軍の施設で、星条旗新聞社、ヘリポート、 Hardy Barracks(ホテル)がある。 “星条旗新聞社”の名前は知っているが実態は(?)、情報収集機関と言う人もいる。 “Hardy Barracks”は陸軍のホテルで、格安で宿泊できるそうだ。 家族連れもOKらしい。・・・・・・・・戦前、この地は隣接する新国立美術館の敷地を含め、日本軍歩兵第三連隊の敷地であった。戦後、接収され、返還されたが、一部は現在のように米軍が使用中。
⑦カトリック麻布教会・・・・・・・・・明治22年(1889)に現在地にてカトリック麻布教会が創立した。 当初の聖堂は木造平屋建てであった、明治44年(1911)には新聖堂も建てられたが、戦災で焼失した。 昭和27年(1952)、鉄筋コンクリート造平屋建ての、現在の教会が再建された。 再建では、早大演劇博物館、桃華楽堂など手がけた、今井兼次が設計したとも言われている。
⑧阿部美樹志邸・・・・・・・・・・・・・“阿部美樹志”とは? 大正から昭和にかけ活躍した、日本の鉄筋コンクリート工学の大御所。日比谷の有楽座、梅田の阪急百貨店、東京~万世橋間の高架橋、阪急三宮駅などを設計した。竹中土木の初代社長。・・・・・・・・・その阿部美樹志が、大正13年(1924)に自ら設計した元麻布の自邸です。 玄関脇の窓には綺麗なステンドグラスが残っている。 建物は、全体的にかなり劣化しているようだ。
⑨ハウスオブロータス・・・・・・・・・・・・女優・モデルの桐島かれんが手がける手工芸品・雑貨を展示していた「ハウス・オブ・ロータス」。 スパニッシュ風の建物は戦前に建てられ、桐島かれん自身が、以前住んでいたという。・・・・・・・・・・店は近々広尾にオープンするらしく、この元麻布の建物は空き家状態だ。・・・・・・・・・・味のある建物が、徐々に消えていくのはさびしい限り!
⑩元麻布ヒルズ・・・・・・・・・森ビルが開発した高級レジデンス。中心のフォレストタワーは地上29階/地下3階の“つくしん棒”の建物。最上階は住民専用のルーフガーデン、その下の階にはスカイラウンジがあるそうだ。・・・・・・・・平成14年(2002)に竣工。総住戸数222戸。 元麻布の近く、アッチャ・コッチャから目に入る。 神社の境内からも!
⑪日本基督教団安藤記念教会・・・・・・・・・・関東大震災前の姿をとどめる、大正6年(1917)竣工の教会です。 教会は大谷石による石積みの平屋建てですが、外壁全体にツタが絡まり落ち着いた景観を演出している。・・・・・・・・安藤記念教会の創立者:安藤太郎は、明治19年(1886)に初代ハワイ総領事に就任し、キリスト教と出会い、夫人とともに洗礼を受けた。帰国後、自宅を日本メソジスト銀座教会安藤記念講義所とし、大正7年(1918)に設立した。・・・・・・・・・今日は、ちょうど日曜礼拝で、内部も見せていただいた。 小さな聖堂だが、簡素で、明るく、落ち着いた雰囲気の教会であった。
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