山手
私の用事を兼ね、夫婦で横浜山手の西洋館を見て、元町で買い物をして来た。 1万1千歩、8km。
①山手の西洋館・・・・・・・・・・中華街・元町からは南側の高台に、フェリス、横浜雙葉など女学生に人気ある学校や、外国人居留地としての名残の西洋館が並ぶ山手地区を歩いてきた。・・・・・・・・・・山手の西洋館9カ所では、『世界のクリスマス2013』と名付け、各西洋館別に9か国の大使館の後援、デザイナー、家具メーカなどの協賛により、寝室・食堂から浴室までクリスマスの装飾で飾り付けられムード満点であった。 平日であり、横浜散策と食事会を兼ねた中高年のおばさんグループが多く、私たち若い夫婦(?)にとっては、ムードを壊す“おしゃべり鳥”で、チョイト迷惑な存在であった。
・・・・・・・・・・・・ブラフ18番館・・・・・・・JR根岸線石川町駅ホーム南端から見えるトンネルの上に建つ西洋館の一つである。・・・・・・・・・・・建物は関東大震災後に外国人住宅として山手町に建てられた。 戦後はカトリック山手教会の司祭館として、平成3年(1991)まで使用された。 その後、横浜市が建物を「イタリア山庭園」へ移築した。
・・・・・・・・・・・・外交官の家・・・・・・・・・・・・ブラフ18番館と同じ公園内にある外交官の家は、ニューヨーク総領事やトルコ特命全権大使などをつとめた明治政府の外交官:内田定槌の邸宅であった。 建物は渋谷区南平台に明治43年(1910)に建てられた。 設計はアメリカ人建築家として来日し活躍したJ.M.ガーディナー。 建物は木造2階建て、屋根は天然スレート葺き、外壁は下見板張り。・・・・・・・・・平成9年(1997)、横浜市は建物の寄付を受け、現在の公園内に移築した。 国の重要文化財。
・・・・・・・・・・・・ベーリック・ホール・・・・・・・・・・・べーリック・ホール(旧ベリック邸)は、イギリス人貿易商:B.R.ベリックの邸宅として、アメリカ人建築家:J.H.モーガンの設計で、昭和5年(1930)に建てられた。 戦後は宗教法人カトリック・マリア会に寄付され、平成12年(2000)まで、インターナショナル・スクールの寄宿舎として使用されていた。・・・・・・・・・この建物は庭園と合わせ、横浜市で整備し平成14年(2002)から公開されている。
・・・・・・・・・・・・エリスマン邸・・・・・・・・・エリスマン邸は、生糸貿易商社の支配人であった、スイス生まれのフリッツ・エリスマンの邸宅として、建築家:アントニン・レーモンドの設計により、大正15年(1926)に山手の現在地の近くに建てられた。木造2階建て、屋根はスレート葺、階上は下見板張り、階下は竪羽目張りの洋館。・・・・・・・・・昭和57年(1982)マンション建築のため、建物は解体され、平成2年(1990)現在の元町公園内に移築された。
・・・・・・・・・・・・・横浜市イギリス館・・・・・・・・・・・イギリス館は、昭和12年(1937)に上海の大英工部総署の設計により、鉄筋コンクリート2階建てで、英国総領事公邸として現在地に建てられた。・・・・・・・・・昭和44年(1969)に横浜市が取得し一般公開している。
②カトリック山手教会・・・・・・・・・・・文久2年(1862=江戸時代末期)に我が国初のキリスト教教会堂が居留地に木造で建てられた。これが、山手教会の始まりである。 明治39年(1906)に現在地に移転し、煉瓦造りの教会が建てられたが、関東大震災で倒壊した。 その後、昭和8年(1933)、チェコの建築家:J.J.スワガーの設計により、現在の聖堂が鉄筋コンクリート造で再建された。・・・・・・・・・・重厚な正面のデザイン、鐘塔の鋭いとんがり屋根など、中世のゴシック風建築である。 内部は明るく、清らかな印象を受ける造り。
③横浜山手聖公会 ・・・・・・・・・文久3年(1863)、横浜居留地(現:中区山下町)に初代クライストチャーチの聖堂が完成した。 明治34年(1901)には、山手の現在地に建築家:コンドルの設計による聖堂が建てられたが、こちらも関東大震災で崩壊した。 現在の3代目となる聖堂は、昭和6年(1931)に建築家:J.H.モーガンの設計により建てられた。昭和20年(1945)の大空襲では聖堂内部を焼失したが、修復工事を行い現在に至っている。
④横浜地方気象台・・・・・・・・・・気象台として明治29年(1896)に設立されたが、関東大震災によって建物は全て焼失したため、昭和2年(1927)に現在の鉄筋コンクリート造、3階建ての建物となった。 シンプルなデザインの建物だが、アールデコ風の造形が、玄関まわり、階段の天井・手摺など、建物のところどころに散見される。
・・・・・・・・・・・・現在の気象台としての業務の多くは、隣の新館で行われている。計測器・パソコンが並ぶ現業室も拝見。
●・・・・・・・・・・・・・・散歩は「山手本通り」と呼ばれる道に面した建物を歩いたのだが、、、、、、『世界のクリスマス2013』が開かれている西洋館は、“おしゃべり鳥”がアッチャコッチャで3~4羽かたまっては鳴いていた。 “静かに祈りを”の教会、“気象の勉強を”の気象台、“保存のため拝観料を”の資料館などは、“おしゃべり鳥”が一羽も居らず不思議な社会現象がみられたね! 解るかな!?