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2014年3月23日 (日)

東大弥生キャンパス

浅草橋の我が家から歩きはじめ、まずは上野公園で桜の様子を確認、まだ蕾だ! 不忍池では、骨董市を拝見。 東大構内に入り工学部を抜け農学部へ。 東大から根津へ下り、根津から鶯谷駅へ。 1万5千歩、11Kmの散歩です。

●・・・・・・本郷地区の東大キャンパスは、一般道により本郷・浅野・弥生の3キャンパスに分けられている。 本郷キャンパスは最も広く、大学の本部機能、法文、理工、医学系の学部と附属病院などが配されている。 浅野キャンパスは工学部の研究施設。 弥生キャンパスには農学部と地震研究所がある。・・・・・・・・・・今日は、弥生キャンパスの建物をジックリ見てきた。

①農学部正門・正門衛所・・・・・・・・・・・・・昭和12年(1937)、内田祥三の設計により完成。 門扉には木曽のヒノキを使用し、10年程前に修復された。 

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・・・・・・・・・・・・内田 祥三(うちだよしかず、1885~1972)は、建築学者で、東京帝国大学総長も務めた。関東大震災後の東大構内の復旧を主導し、構内には数多くの建物が建設された。 現存する建物も多い。 祥三の次男に、建築家の内田祥哉がいる。・・・・・・・・・内田祥哉は、私が工学部建築学科学生の頃、設計を教えてくれた先生でもある。 丸い眼鏡が特徴で、一見、東海林太郎のような風貌の先生だった。(50年前の話だ!)

・・・・・・・・・・・・「内田ゴシック」とよばれる、内田祥三による特徴的デザインの建物が3棟、正門正面の三号館、右の一号館、左の二号館が、眺望を重視し配されている。

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②農学部一号館・・・・・・・・・・正門を入り右手に建つ、内田祥三の設計により、昭和5年(1930)完成。

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②農学部二号館・・・・・・・・・・農学部正門を入り左手に1号館と対をなして建つ、内田祥三の設計、昭和11年(1936)完成。

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③農学部三号館・・・・・・・・・・・昭和16年(1941)完成、設計は内田祥三。 正門正面に建ち、キャンパスのシンボル的建物でもある。

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④農学部5号館・・・・・・・・・・・・・昭和46年(1971)に竣工した、農学部5号館。 林産学科が使用した。

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⑤農学部6号館・・・・・・・・・・・・昭和52年(1977)、生物環境制御システムセンターの設置と農学部の研究用計算機を導入のため新しい 研究施設が造られた。 この建物が現在の農学部6号館である。 ・・・・・・・5号館に隣接して建つ、共に小さな建物だ。

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⑥農学部7号館・・・・・・・・・・平成5年(1993)、7号館A棟が竣工。(写真中央の建物)・・・・・・・・この建物ができた後の平成6年(1994)、農学部4号館が取り壊された。     

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・・・・・・・・・・・・・・平成10年(1998)、7号館B棟竣工。

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⑦農学部図書館・・・・・・・・・・・ 昭和38年(1963)、国の予算に、ロックフェラー財団の援助資金、卒業生等の寄付金と合わせて建設に着手し、昭和39年(1964)に竣工した。・・・・・・・平成21年(2009)、リニュアールオープンした。(下の写真は昭和40年当時の図書館)

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⑧動物医療センター・・・・・・・・・・・・・・・平成3年(1991)に竣工した、附属の家畜病院(ベテリナリーメディカルセンター)。 従来の家畜病院の内科と外科の施設が統合され、充実した医療設備を備えた新しい家畜病院の建物ができた。・・・・・・・・・・・・ちなみに診療科は、内科、外科、眼科など人間と同じような科目が並んでいる。 犬の献血も募集しているそうだ。 犬にドッグフードと感謝状をくれるらしい!  なお、保険診療は適用できません!

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⑨生命科学総合研究棟・・・・・・・・・・・・平成15年(2003)、生命科学総合研究棟棟竣工。

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・・・・・・・・・・・・・平成24年(2012)、隣りに生命科学総合研究棟B竣工。

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⑩フードサイエンス棟・・・・・・・・・・・平成22年(2010)竣工のフードサイエンス棟。 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上8階建て 2階には約120名収容の「中島薫一郎記念ホール」や歴史展する施設もあり、食の問題にかかわる研究者の集うところとなっている。・・・・・・・・・・中島董一郎(なかしまとういちろう、1883~1973)は、明治40年に水産講習所(現:東京海洋大学)卒業後入隊し、除隊後はマヨネーズと出会い、キユーピーを創業した実業家。・・・・・・・・・・建物は中島董一郎の寄付。

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⑪生物生産工学研究センター・・・・・・・・・・・微生物・動植物細胞の大量培養、組替えDNA技術による育種実験、酵素の大量抽出精製等の設備を組み合わせ、新しい生物生産技術の体系的開発研究を行うセンター。昭和59年(1984)竣工。

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⑫分子細胞生物学研究所・・・・・・・・・・生命科学全般の研究・教育活動を行っている、難しそうな研究所。

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⑬IML・・・・・・・・・・・“東京大学インテリジェント・モデリング・ラボラトリー(IML)は、東京大学のベンチャービジネスラボラトリー(VBL)として設立された全学的な教育研究施設”、ということで、訳の判らん施設。

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⑭弥生講堂・・・・・・・・・・・農学部正門わきに、平成12年(2000)に竣工。 農学部設立125周年記念事業の一環として建てられた。 一条工務店の寄付で建設された、農学部の特性を生かした木質構造による建物。・・・・・・・・・我が家も、だれか寄付してほしいね。

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・・・・・・・・・・・・・・附属の農学資料館に展示されている「忠犬ハチ公の臓器」

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⑮向ヶ岡ファカルティハウス・・・・・・・・・・・・・・正門から入り、キャンパスの一番奥に建つ建物。 大学構内に建つ宿泊施設で、平成21年(2009)に東京大学創立130周年事業の一環として、教職員の福利厚生及び教育研究支援の目的で建設された。 木質系のシャレた建物だ。 スタイリッシュな14部屋には短期・長期滞在のどちらでも可能である。・・・・・・・・・・旧制一高時代の寮歌が聞こえてきたような向ヶ岡学寮の跡地に建てられた施設。

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⑯陸橋・・・・・・・・・・本郷キャンパスと弥生キャンパスを隔てる言問通りに架かる、東大専用の陸橋。昭和39年(1964) 竣工。

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⑰東京大学地震研究所・・・・・・・・・・・農学部からはグランドの先に建物が見える。 農学部の隣りに在るということは、ナマズで研究しているのかな?

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●余談・・・・・・・・・・・昭和21年(1946)、大学全体で108名の女子志願者があり、うち合格者は19名で、その中で農学部には1名の入学者があった。農学部では初の女子学生の誕生である。 男子学生のあこがれの的となったかな・・・・・・・私の学んだ明大工学部建築学科でも、当時200名の入学者の内、女性が3名ぐらいだった。 競争率が高く、私は最初から諦めていた。 正解だった!  今の大学は“理系女”も多く、羨ましいね!

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