本郷4丁目
御茶ノ水駅から、本郷4丁目付近をグルグル、ブラブラ、グニグニ歩き回り、東大キャンパスを横切って浅草橋の我が家まで、1万5千歩、11Kmの散歩です。
①本郷薬師・・・・・・・・・・本郷3丁目交差点の交番脇に参道(?)が見える! 現在堂のある地は、かつて真光寺の境内であった。 その地に寛永10年(1670)に薬師堂が建立され、薬師は深く信仰を集め、縁日も賑やかであったが、昭和20年(1945)戦災で焼失、真光寺は世田谷区へ移転した。 昭和22年(1947)に薬師堂は改築され、昭和53年(1978)には新築された。・・・・・・・・・賑やかだった頃の面影も薄れ、今は堂が在るだけだ!
・・・・・・・・・・・・薬師堂の横を30m程入ると、十一面観世音菩薩が路地の脇で、風雨に晒され座している。 享保5年(1720)に造られた観音像も、薬師堂と同様に真光寺の境内に祀られていたが、戦後、寺は移転し仏は残されたそうだ。 チョット、仏が可哀そうだね。 仏の脇には、置き去りにされた墓地も残されている。
②桜木神社・・・・・・・・・・・・文明年間 (1469~87)、太田道灌が江戸築城の際、菅公真公の神霊を京都北野より勧請した。 当初は湯島にあったが、昌平坂学問所を設立するにあたり、元禄4年(1691)、現在地である元真光寺の境内に遷座した。 それにしても、真光寺は、仏も神も置いて移転し、夜逃げでもしたような寺だね!・・・・・・・・・旧社殿は戦災で焼失し、現社殿は昭和34年(1959)に新築された。
③白木造りの塀・・・・・・・・・・・感動! 本郷の路地を入った住宅では、ナント、白木造りの塀があった。 今どき、このような塀を造る粋な人が、まだ健在だ!
④本妙寺坂・・・・・・・・・・・本郷台地から菊坂へ下っている坂である。菊坂を挟んで真向かいの台地(現:本郷5)に、かつて本妙寺という法華宗の寺があり、そこへ向かう坂であることから「本妙寺坂」と呼ばれている。 本妙寺は明暦の大火(振袖火事・明暦3年(1657))の火元であり、明治43年(1910)に豊島区巣鴨に移転した。
⑤炭団坂・・・・・・・・・・・・こちらは、本妙寺坂の西側で、同じように本郷台地より菊坂方面へ下る急な坂。 約50段の階段で下る坂。 坂の名「炭団坂(たどんざか)」は、この界隈に炭団を商う者が多かったことに由来するらしい。 “炭団”を知っているのは、昭和20年代生れの人までかな? 炭屋のおばさんが、真っ黒になって、炭の粉にふのりを混ぜて、手で丸め作っていた光景を思い出す。 “炭団”、“豆炭”、“練炭”懐かしいね!
・・・・・・・・・・・・炭団坂の上には、まさに『坂の上の雲』に出てくる、正岡子規・河東碧梧桐・高浜虚子などが青春時代を過ごした旧松山藩の寄宿舎「常盤会」跡がある。 ここは坪内逍遥の旧居跡でもある。 写真、右上の崖の上が跡地。
・・・・・・・・・・・・炭団坂を下り、菊坂の手前の裏道を曲がり、チョイト、大きめの不揃いな石畳の路地を入ると、手押しポンプ(一葉の井戸)がある。 この前が樋口一葉の旧居跡だが、見学者が多いためか、以前は出ていた案内表示も撤去されている。 路地の奥には石段と両側に木造3階建ての住宅があり、さらに奥に進むと鐙坂の途中に出る。・・・・・・・・この路地の雰囲気は、今に残る、まさに一葉の世界だ!
⑥鐙坂・・・・・・・・・炭団坂の西側には、これまた、本郷台地から菊坂へ下る「鐙坂(あぶみざか)」がある。 西側の急な崖上には財務省関東財務局真砂住宅が建ち、東側は坂上に金田一京助・春彦旧居跡があり、坂の中程には一葉の旧居へ続く路地があり、坂下には一葉も利用したのか100年以上の歴史ある銭湯もある。 小雨降る中、下駄履きに羽織・袴の東大生が本を風呂敷に包み、上っていく姿を連想させる坂道だ!
・・・・・・・・・・・・・坂の上には、金田一京助・春彦の旧居跡。
・・・・・・・・・・・坂の下には、菊水湯がある。 銭湯の前には散髪屋も、、、
⑦菊坂・・・・・・・・・・本郷三丁目交差点から北西の西片地区へ下る有名な坂。 本郷4丁目と5丁目の境である。
・・・・・・・・・・・・・菊坂の通りから、並行する裏道に下る階段が数ケ所ある。
・・・・・・・・・・・・・坂の下に在る、明治23年(1890)に建てられた旧伊勢屋質店。 樋口一葉も生活が苦しくなるたびに通った質屋。 現在は廃業し、建物は映画の撮影などに利用されている。
⑧旧東京市営真砂住宅・・・・・・・・・・・・大正12年(1923)に、本郷台地の左京山に46棟75戸の住宅が建てられた。 既に100年経過し、現存する住宅は3棟となった。 建設は東京市の住宅不足を解消するためであったが、当時は本郷の地にも広いスペースがあったようだ。
・・・・・・・・・・・・・・M邸
・・・・・・・・・・・・・・Y邸・・・・・・・・・・マンサード屋根(切妻の腰折れ屋根)が特徴的な住宅。
・・・・・・・・・・・・・S邸・・・・・・・・・・・・・こちらもマンサード屋根の住宅。