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2014年8月 9日 (土)

岩淵水門・新神谷橋

久々に、30℃を割る気温で、熱中症のリスクも多少やわらいだと思い、隅田川を陸の上から下ることにした。 今日はその初日、まずは隅田川の最上流を歩いてきた。 赤羽駅から岩淵水門 をまわり、新神谷橋を渡って東十条駅まで、1万4千歩、10㎞の散歩です。

・・・・・・・・・・・・・荒川放水路(現在の荒川)・・・・・・・・・江戸時代には、荒川(現在の隅田川)沿川では、頻繁に洪水が発生していた。 明治43年(1910)に洪水対策として、荒川放水路の建設計画が策定され、翌年より開削工事が開始された。 工事規模は、総工事費31,446,000円(当時の大卒者の初任給35円)、延長22㎞(北区岩淵~江東区砂町)、掘削土量2,180万立米(東京ドーム18杯分)、橋梁新設17橋、土地買収1,098町歩(約11k㎡:北区の面積の約半分)であった。 工事は関東大震災などで遅れたが、昭和5年(1930)に完成した。 まさに、20年の歳月を要したビッグプロジェクトであった。・・・・・・・・・完成後は旧岩淵水門より下流が隅田川となった。 荒川放水路は現在「荒川」と改称した。

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①旧岩淵水門(赤水門)
・・・・・・・・・・隅田川と荒川(荒川放水路)の分岐点(北区岩淵町 )に造られた水門。 大正5年(1916)から大正13年(1924)までの8年間の歳月をかけ建設された。 鉄筋コンクリート造で、9m幅のゲートが5門ある。 昭和35年(1960)に通船の必要性から右端5番ゲートは改造された。 現在、旧岩淵水門は下流に岩淵水門が完成し、水門としての役割は無くなった。 貴重な産業遺産として保存されている。

・・・・・・・・・・・・・・・上流側から

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・・・・・・・・・・・・・旧岩淵水門の上から

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・・・・・・・・・・・・・・下流の岩淵水門を見る
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・・・・・・・・・・・・・下流側から拝見!
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・・・・・・・・・・・・・・・左端に赤水門、右端に青水門、中央は荒川、対岸は川口市

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②岩淵水門(青水門)
・・・・・・・・・・・・・・旧岩淵水門から300m程下流に、200年に1回の大洪水にも耐え得るように作られた。 昭和57年(1982)に事業費は約70億円にて完成した。 鉄筋コンクリート造で、10m幅の3つのゲートで構成されている。 荒川が増水した時は水門を閉め、隅田川へ流さないようにして東京を洪水から守る役割を担っている。・・・・・・・・・私が、近くの土木研究所(現:荒川下流河川事務所)でバイトをしていた昭和40年頃はまだ無かった水門で、荒川土手のこの辺りも大きく変化した!

・・・・・・・・・・・・・上流(旧岩淵水門)から

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・・・・・・・・・・・・・・ただいま、耐震補強工事中

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・・・・・・・・・・・・・・下流側から後姿をパチリ!

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・・・・・・・・・・・・・・水門から100m程下流で、川越方面から流れ下る新河岸川(写真左側)と合流する隅田川。 ついでに、写真中央の建物(青水門の左側:塔のある建物)に、かつて私がバイトした土木研究所が在った。

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・・・・・・・・・・・・・・・下流を眺めれば、景観は緑の“荒川”から、都会の“隅田川”に切り替わる!

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③隅田川の左岸
・・・・・・・・・・・左岸は足立区新田地区、右岸は北区志茂・神谷地区

・・・・・・・・・・・・日本化薬東京工場・・・・・・・・・・・隅田川沿いの両岸に日本化薬がある。 大正5年(1916)に、産業用火薬メーカとして創業したが、現在は医薬品、染料、触媒、農薬などを扱う総合メーカ。 その、事業所が右岸に、東京工場が左岸にある。 きょうは工場を眺めながら左岸を歩いてきた。 野積されたドラム缶の中は?、、、、、火薬か?、ニトログリセリンか?などと想像もしてみたが、、、、インク工場だった!

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・・・・・・・・・・・・・・新田稲荷神社・・・・・・・・・・・創建は元禄10年(1697)と伝えられる。社殿は戦災で焼失し、昭和22年(1947)に再建された。

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④新神谷橋・・・・・・・・・・・・岩淵水門を除いて、隅田川の最上流に架かる橋が、新神谷橋(しんかみやばし)である。 もともとは、現在、橋の架かる位置のチョイト近くの堀に、「神谷橋」(昭和2年(1927)架橋)が架けられていたが、昭和52年(1977)に堀は埋め立てられ廃橋となった。 その名を頂戴し、昭和42年(1967)に新神谷橋が隅田川に架けられた。・・・・・・・・・新神谷橋は、長さ153.1m、幅員20.0mのプレートガーダー橋。 橋上には環七通りがとおる。

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・・・・・・・・・・・・・・新神谷橋から下流を望む

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