稲荷神社めぐり
昨日の夕食時、妻の一言、『あした○○(都内に嫁いだ娘)が来るって、昼食を家で食べるから、散歩の帰り稲荷ずしとバッテラ買ってきて。』、、、、、、これで、今日の散歩コースは7割程度確定した。 昼食を我が家で食べるということは、散歩を午前中に済ませ、さらに買い物も済ませろと言うこと。 買い物は稲荷ずしにバッテラとなると、人形町の「志乃多寿司」に行って来いと言うこと。 我が家から人形町までは、歩いて30分程度なので、あまり早く散歩に出ても店は開いていないだろうし、中途半端な散歩になりそうだ!、、、、、どうしようかな? 困ったときの神頼み、、、、、、昨日、床に入りキラリとひらめいた。 “稲荷ずしを買いに行くなら、その前に稲荷詣でと洒落こもう。” 江戸下町の商家では商売繁盛の御利益を期待し、稲荷信仰する人が多く、稲荷神社も多いので、まとめて歩いてみるか!
・・・・・・と言うことで、今日の散歩は、浅草橋から人形町まで、“○○稲荷神社”と称する神社だけをめぐってきた。 1万2千歩、10㎞。 (神社は今日歩いた順番で紹介する)
●・・・・・・・・・・・・只今、午前8時半。 朝の旅立ちは、サラリーマンの出勤時間。 ここで、一句「大寒の 寒さを体感 大寒い」
①石塚稲荷神社・・・・・・・・・・JR総武線の隅田川橋梁が架かる、台東区柳橋に祀られている稲荷神社。 創建年代は不詳だが、浅草御蔵前元旅籠町の居住者有志が創建したといい、元禄元年(1688)に現在地へ移転したと言われている。 火伏神と言う事で、戦後、柳橋料亭組合と柳橋芸妓組合などが寄進し再建した。 芸妓との“火遊び”は危ない時代だったのかも。 また一句、「石塚の 夜遊び燃えて 火遊びに」
②篠塚稲荷神社・・・・・・・・・・・こちらも柳橋にある神社だが創建年代は不詳。 正平年間(1325年頃)新田義貞の家臣篠塚伊賀守重廣が当地にあった稲荷社に祈願を続けていたことから、「篠塚稲荷」と称されるようになった。 延宝9年(1681)には篠塚山玉蔵院宗林寺となったものの、明治維新の神仏分離令により廃寺となり、篠塚稲荷神社が残った。 大正末期まで、境内では寺子屋(篠塚学校)が運営されていた。 一句「花街の 熱り(仏)は消えて 髪(神)残る」
③川上稲荷神社・・・・・・・・・・・両国橋のたもとに近い中央区東日本橋のビルの裏で、2坪ぐらいの境内にしっそりと祀られているお稲荷さん。 寛永5年(1628)の創建と伝えられている。 もともと「川上稲荷」と称して、江戸幕府の乗船場に在ったが、明治2年、新開の街になるにつけ、当地に移転し崇敬されてきた。 明治6年には、神田神社(神田明神)の兼務社となり、昭和20年(1945)戦禍にて烏有に帰す。 昭和63年(1988)、近隣町民有志にて再建された。 「新開地 古き神社は ジャマだどけ」
④矢ノ庫稲荷神社・・・・・・・・・・・・東日本橋2、薬研堀不動院の裏手に神社はある。 正保2年(1645)、お隣の東日本橋1丁目あたりは谷野と呼ばれていた。 そこに、幕府は谷野蔵・矢之倉と称する米蔵を建て、その庭中に蔵の鎮神として三社を合殿した三社稲荷神社を祀った。 元禄11年(1698)に蔵は移転し、三社稲荷も遷座したが、地元住民が三社稲荷を惜しみ、谷野蔵稲荷の名称を矢ノ庫稲荷に改め現在地に鎮座した。 平成23年(2011)、"薬研堀不動院開創420年"にあわせて新社殿が奉納された。 ・・・・・・・・神社の隣りは大日本除虫菊(株)(蚊取り線香のキンチョウ)の東京支店。 ここで、またまた一句、「緊張(キンチョウ)で かゆみ知らずの 薬研掘」
⑤笠間出世稲荷大明神・・・・・・・・・・明治座ビルの角っこに笠間出世稲荷大明神がる。 笠間稲荷神社の東京別社の分社らしい。 いうなれば、笠間稲荷神社東京支店明治座営業所という感じだな。 それにしても、“出世”、“大明神”とやたら大げさな名前を付けたな! ここらで一句、「見栄を張る 芝居かぶれの 狐かな」
●・・・・・・・・・・・・明治座正面の道路は中央分離帯が広く、公園のようになっている。 都営地下鉄新宿線の浜町駅はちょうどこの下、通勤客がぞろぞろと出てくるね! 只今、午前9時半。
⑥元徳稲荷神社・綱敷天満神社・・・・・・・・・・・・・由来は、江戸時代上期1500石を領した川村徳エ門が伊勢の外宮から御霊を受け、小石川の自分の屋敷内に祀った。 後に屋敷替えとなり今の墨田区に遷宮して一般市民にも参拝が出来るように開放した。 その後、川村徳エ門が再度屋敷替えをした跡に民家が建ち、この町を「元徳エ門町」といい、稲荷神社は元徳稲荷神社と名づけられた。 現在の浜町2丁目には細川公の屋敷があり、細川公は元徳稲荷神社の分け御霊を受けて祀ったいた。 これが、現在の元徳稲荷神社である。 その後、同じ町内に祀っていた綱敷天満神社を合社し、進学の神、産業、商売繁盛、火伏せの神としてのご利益のテリトリーも広がった。 おや、旗を見ると!弁天様も合祀したようだ。 合格祈願の受験生、「弁天の 色香に迷い 不合格」
●・・・・・・・・・・・・元徳稲荷神社からは、再び明治座前を抜け笠間稲荷神社へ向かう。 途中、昭和36年(1961)建築の「栄マンション」をパチリ! 古ぼけた味のあるマンション、私好みだ!
⑦笠間稲荷神社・・・・・・・・・安政6年(1859)に、茨城県の笠間稲荷神社より分霊を受けて、祀られている。 昭和20年(1945)には戦災により大きな被害を受けたが、昭和21年(1946)に本社の援助により復旧し、昭和28年(1953)拝殿の再建がなされた。 日本橋七福神の寿老人も祀られている。 「復興に 寄らば大樹の 陰なるや」
⑧富沢稲荷神社・・・・・・・・・・・日本橋富沢町に祀られている稲荷神社。 創建年代不詳であるが、昭和25年(1950)に、元弥生町、新大阪町、元浜町の3町それぞれの稲荷社が合祀され、富沢稲荷神社と改称した。 ようするに、3社合併の神社で、社名は所在地から命名された。 「合併で 社名も変わり スッキリと」
・・・・・・・・・・・・・・チョイト待て、境内社として片隅に、初姫稲荷神社があるぞ、艶っぽい社名だ! 「富沢も 隅に置けぬ にくいやつ」
●・・・・・・・・・・・・富沢稲荷神社の西(日本橋富沢町)に、旧常陽銀行東京支店で、国の登録文化財となった、ハリオグラスビルがある。 まさに銀行建築で、コリント式の大オーダーが2つの通りに面して並べられている。 いいね!
⑨池洲稲荷神社・・・・・・・・・日本橋堀留町にある稲荷神社。 その昔、日本橋通り旅籠町に小田原より移した池洲(いけす。=魚を飼う場所)屋敷があり、その池沼より出現した稲荷と伝えられている。 社殿は大正12年(1923)震災で炎上し、昭和に入り再建された。 ビルの間のせせこましい社だ! 一句、「小田原の いけすの魚は 板付きか」
⑩三光稲荷神社・・・・・・・・・・・・日本橋堀留町の路地裏にある稲荷神社です。三光稲荷神社は、絹布問屋、木綿問屋の二家が江戸時代初期に勧請したとも、中村座に出演していた大阪の歌舞伎役者が元禄2年(1689)以前に伏見より勧請したもいわれている。 どちらにしても、古い話で、私には詳細は不明である。 古くから娘、子供、芸妓などが参詣することが多いそうだ。 私が来るときは、おばさんが多い、なぜだろう? そろそろ一句、「右おでん 左やきとり 中三光」
⑪橘稲荷神社・・・・・・・・・・・・日本橋人形町3丁目、このあたりは江戸時代、将軍家御典医・岡本玄冶の邸があったこと場所。 一帯を玄冶店(げんやだな)と称した。 そう、 春日八郎のヒット曲「お富さん」では、“♪♪ エーサオー玄冶店 ♪♪”と歌っている。 稲荷名の橘は岡本家の姓に因んだとされている。 地元町民の浄財で再建された、ビルの裏の小さな祠が、現在の佇まいだ。 またまた一句、「ちいせえな 知らぬはずだよ お富さん」
・・・・・・・・・・・・・・・ビルの表側には「玄冶店」の碑がある。
⑫出世稲荷神社・・・・・・・・・・・・日本橋堀留町1の路地を入り、マンションの通路をぬけて、マンションの非常階段の下に、目指す出世稲荷神社がある。 出世稲荷神社は、元和3年(1617)の創建と伝えられ、江戸時代初代市川団十郎が日参し名をあげたことから出世稲荷神社と称されるようになった。 現在の本殿は、関東大震災後に椙森神社の旧拝殿の廃材を再利用して建立した。 本殿には岩代稲荷神社も合祀されている。 ここでも一句、「参道の 素晴らしさには 感動だ」
⑬常盤稲荷神・・・・・・・・・・・・・・日本橋本町1丁目に鎮座するは常盤稲荷神社。 長禄元年(1457)に太田道灌が江戸城を築城の際、京都伏見稲荷大神の分霊をいただき、常盤稲荷と名付け、江戸城の守護神として勧請した。 その後、江戸時代には、日本橋魚市場内に移り、市場の守護神水神大神を相殿に祀り鎮座されました。 水神大神は、明治34年(1901)に神田明神境内に遷座した。 まだ昼前だ、扉ぐらい開けておけ! ここで一句、「社殿の 扉も閉まり 今、時は」
⑭明星稲荷神社・・・・・・・・・・・日本橋小網町町会会館前に建つ神社。 まだ、新しい社で何もかも不明。 由緒書きでも見えるようにしておくれ! 一句、「正体が つかみきれない 金星か」
●・・・・・・・・・・・以上、浅草橋から人形町界隈までの、14社の“稲荷神社”、結構あるね! “結構毛だらけ猫灰だらけ”です。
●・・・・・・・・・・・時刻は、午前11時。 明治座の観劇に、旅のお供に、「志乃多寿司」と言うことで、おばさん連中に混じりお買い物。
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