九品仏
東急大井町線完全踏破を目指し、今日は九品仏駅から二子玉川駅まで歩くつもりで家を出た。 九品仏駅で下車し、駅名の由来となった浄真寺にチョイと立ち寄る。 参道にて、浅草神社の神職と称する方と親しくなり、境内を案内していただいた。 駅名になるほどの大きな広い寺を、堂宇は中に入り、庭の木々を1本ずつ、墓地は個々の墓の前で、親切・丁寧な説明をしていただいた。 お別れするまでタップリ2時間の拝観となり、後姿に頭を下げて、『今日の散歩はこれでおしまい!』と囁き、再び九品仏駅に戻り帰宅。 8千歩尾、6㎞の散歩。
①九品仏駅 ・・・・・・・・・・・・九品仏(くほんぶつ)駅は、二子玉川寄りの車両一両だけドアが開かない、ホームの短い駅である。 現在は全て大型車両(20m)5両にて運転されているが、昭和50年代に、大規模な東急車両の配転が行われ、一時、大型車両5両と、中型車両(18m)6両が混在した運転が行われた。 この時は、中型車両の2両がドアの開かない運転だった。
・・・・・・・・・・・・・中延駅ホームの乗降位置に標されていた、『九品仏ではこの車両のドアは開きません』。
②九品仏浄真寺・・・・・・・・・・・・・正式には「九品山唯在念仏院浄真寺(じょうしんじ)」と言う、浄土宗の寺で京都知恩院の末寺。 浄真寺は、秀吉の小田原征伐後に廃城となった世田谷吉良氏の奥沢城の跡地に、延宝6年(1678、=徳川四代将軍家綱の時代)に開山した。 今でも、城跡と思わせる参道・総門の配置、土塁の遺構なども見られる。
・・・・・・・・・・・・・・九品仏駅から参道が伸ている。 奥沢城の時代の参道は、ポストの左側の細い道だけだったらしい。
・・・・・・・・・・・・・・閻魔堂、、、、、、総門をくぐり右手に閻魔堂がある。 正面の大王の横に「葬頭河婆(そうずかば)=奪衣婆(だつえば)」も控えている。 堂の前には、亡者の生前の罪の重さを計る衣領樹(えりょうじゅ)と書いた木がある。、、、、、奪衣婆とコンビを組む懸衣翁(けんえおう)は、本日は修理のため留守だった。
・・・・・・・・・・・・・仁王門、、、、、、寛政年間に建立された仁王門の上層には二十五菩薩が、下層には阿吽の仁王像が安置されている。 寺の伝統行事「お面かぶり」は、この二十五菩薩の面をかぶり、本堂(現世)と三仏堂(彼岸)の間に架けられる橋を渡り行き来するそうだ。 4年に1回行われる行事で、お面をかぶることができるのは、昔は“講”の人だったが、現在は檀家の人がかぶるそうだ。 ちなみに、かぶることのできる人は3万円払うらしい(?)。
・・・・・・・・・・・・・綺麗に手入れされている庭。 聞いた話では、、、、現住職の奥様が、庭の石・樹木も整備されたらしい。 真偽の程は?
・・・・・・・・・・・・・・本堂、、、、、、、元禄11年(1698)に、本堂(=龍護殿)の正面に向かいあう三仏堂と共に建てられた。 総欅造りの11間四面の堂。 昭和42年(1967)に修築し、かや茸屋根を銅茸にかえた。、、、、、、本堂には釈迦牟尼仏を中心に、善導大師、法然上人の像などが安置されている。 堂の奥の隅には、身体の悪いところを撫でると治る、ぴんずる尊者像がある。 私は像の身体じゅうを撫でてきた。
・・・・・・・・・・・・・・三仏堂、、、、、、、本堂正面に向かい合う三つの堂(元禄11年~12年建立)には、それぞれ3体の丈六の阿弥陀如来9体があり、右から中品、上品、下品の位があるので九品仏といわれている。 本堂の現世に対して、三仏堂は浄土の彼岸をあらわしている。、、、、、関西の九品仏として、京都の木津川市(奈良若草山の北側)にある浄瑠璃寺を思い出した。
・・・・・・・・・・・・・・三十三観音、、、、、、、案内してくれた方が「綺麗な観音様が祀られているから見て行きなさい」と教えてくれた観音堂。 “綺麗”、“観音様”と聞いては、見て行かずばなるまい! 小さな観音堂で、一人で扉を開け、一人でこもり、一人で合掌、仏の道に帰依したような気分で観音様を見つめてみた。、、、、、、『ウム~、なるほど綺麗だ!』、、、、、、堂を出て『チョイと色気が足りないね!』
・・・・・・・・・・・・・墓地では、著名人の墓のいくつかを案内していただいた。 まずは、観世流家元の墓
・・・・・・・・・・・・・俳優:実業家(洋食屋「紅花」のオーナー):ロッキー青木(1938~2008)の墓
・・・・・・・・・・・・・五島慶太の墓、、、、、正面は五島家、その左側に五島慶太の墓
・・・・・・・・・・・・・・クレージーキャッツの石橋エータロー(1927~1994)が眠る石橋家の墓
・・・・・・・・・・・・・山久運輸を創設した中村家の墓、、、、、真後ろに菊田一夫の墓がある。
・・・・・・・・・・・・・「君の名は」、「放浪記」の菊田一夫(1908~1973)の墓
●・・・・・・・・・・・・・・・・きっと、再び訪れたくなる、印象深い寺であった。
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