秋の名残の九品仏
寒い朝をむかえ気温は2℃、今日も散歩の行き先が定まらず、家を出てからも二転三転し、最終的には世田谷の九品仏(浄眞寺)に行ってきた。 浄眞寺は私の好きな寺の一つで、この季節に行くのは初めてである。 境内には、まだ秋の彩が残っていた。 (夏の九品仏はコチラ)
東急大井町線九品仏駅で下車し、浄眞寺に参拝し、大井町線自由が丘駅まで、8千歩の散歩です。
●手狭な駅・・・・・・・・・東急大井町線で、自由が丘駅の隣りが九品仏(くほんぶつ)駅。 昭和4年(1929)11月1日に開業した、島式ホーム1面2線の地上駅。 一日の乗降客数は1万3千人程で、都内の駅としては少ない。、、、、、【ついでの話】 駅前に「九品仏駅前」という、東急バスのバス停があるが、休日の夕刻に1往復発着するのみである。
・・・・・・・・・・・・・ホームの両端に踏切があり、ホームを伸ばすことができない手狭な駅である。 電車は5両編成で運行し、九品仏駅のホームの長さは4両分だけしかない。 その為、二子玉川寄りの車両一両はドアが開かない駅である。
・・・・・・・・・・・・・・短いホームの真ん中にトイレが作られている。 これも、苦肉の策か?
・・・・・・・・・・・・・駅の出入口(改札口)は上下線路の間にあるのも、御愛嬌。
●秋の名残りの九品仏・・・・・・・・・九品仏は正式には「九品山唯在念仏院浄眞寺(じょうしんじ)」と言う、浄土宗の寺で京都知恩院の末寺。 浄眞寺は、秀吉の小田原征伐後に廃城となった世田谷吉良氏の奥沢城の跡地に、延宝6年(1678、=徳川四代将軍家綱の時代)に開山した。 今でも、城跡と思わせる参道・総門の配置、土塁の遺構なども見られる。、、、、、本堂と向かい合わせに、三仏堂が三宇あり、中央の堂に上品上生・上品中生・上品下生、北の堂(右隣)に中品上生・中品中生・中品下生、南の堂(左隣)に下品上生・下品中生・下品下生の計九品の阿弥陀如来像が納められ、九品仏と呼ばれている。 九品の阿弥陀如来像を奉祀している寺院は、ここと、京都の浄瑠璃寺だけである。、、、、境内の広さ約12万㎡(3万6千坪)
・・・・・・・・・・・・・九品仏駅を出ると、境内に向かう長い参道がある。 参道沿いには数基の庚申塔が祀られている。
・・・・・・・・・・・・・参道の突き当りには立派な総門がある。 扁額には「般舟場(はんじゅじょう)」と書かれている。、、、、、般舟とは 常に行道念仏を唱えて諸仏を見奉う心だそうだ。参詣に訪れる人に自然に発するために書かれたものだ。 こう説明されても、私の頭の中では理解不能、まだ仏の心が少しも読めず、未熟者は困ったものだ! ただ、ひたすら称えるのは「南無阿弥陀仏」の六文字。
・・・・・・・・・・・・・・総門をくぐると閻魔大王と葬頭河婆(そうずかば、=奪衣婆)が、閻魔堂で迎えてくれた。、、、、閻魔様が好きな私には嬉しいね!
・・・・・・・・・・・・・山門の手前に、浄眞寺を開山した珂碩上人(かせきしょうにん)の御尊像を安置している開山堂がある。 この像は、安産・厄除・開運に霊験があるそうだ。、、、、葵の御紋の賽銭箱に100円玉を投げ入れ、チョイト手を合わせてきたが、間違って安産の御利益を頂いたらどうしようか?
・・・・・・・・・・・・・重厚荘重な仁王門(山門)は寛政5年(1793)の建築である。 一対の仁王像、二十五菩薩像が安置されている。
・・・・・・・・・・・・・・本堂である龍護殿(りゅうごでん)は、真東に位置し釈迦如来を祀っている。 真西にある、三仏堂の九躰の阿弥陀仏像と釈迦如来像が対面して祀られているのである。 つまり、本堂が此岸(穢土)で娑婆の世界、三仏堂が彼岸(浄土)で極楽の世界を表しているそうだ。、、、、本堂に上がり、釈迦如来に合掌し、念仏を唱えてきた。 脇に祀られている賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ、=なでぼとけ)の、腹を撫で(大動脈瘤)、口を撫で(差し歯がはずれた)、チンチンを撫で(前立腺肥大)てきた。
・・・・・・・・・・・・・・龍護殿の向かい合って三仏堂の三宇がある。 中央が上品堂、右に中品堂、左に下品堂。、、、、極楽往生を願う人の性質や行為によって、9段階の階位で分けられているそうだ。 大きく、上品(じょうぼん)、中品(ちゅうぼん)、下品(げぼん)の三階位。 さらにそれぞれを、上生(じょうしょう)、中生(ちゅうしょう)、下生(げしょう)に分け、上品上生から下品下生まで、、、、さて、私はどこに位置するか?
・・・・・・・・・・・・・・上品堂 三躰の阿弥陀仏は似ているが、印相が異なっている。
・・・・・・・・・・・・・中品堂
・・・・・・・・・・・・・・下品堂
●シャレた町だが親爺には不向き・・・・・・・世田谷奥沢の町を歩いて自由が丘駅に出る。
« 北風吹きぬく夢の島 | トップページ | 王子から軍都をブラブラ »
「散歩」カテゴリの記事
- 荒川沿いの北千住(2024.09.17)
- 目白から長崎まで(2024.09.09)
- 鳳凰堂を模した燈明寺(2024.09.05)
- 与楽寺・吉祥寺(2024.09.02)
- 古代東海道を歩く(2024.07.17)