最古のトンネル
東急目黒線・東横線の多摩川駅から川向こうの新丸子駅までの散歩です。
● 「多摩川駅」は大田区田園調布にある東横線・目黒線・東急多摩川線の駅。 大正12年(1923)、目黒蒲田電鉄が目黒~丸子(沼部)間を開業させたのと同時にできた駅。 大正15年(1926)には東横線の多摩川~神奈川間が開業、昭和2年(1927)には渋谷~多摩川間も開業した。、、、、現在の「多摩川駅」は、東横線と目黒線が使用する1~4番線ホームは高架島式2面4線構造。 外側を東横線、内側を目黒線が使用する。 東急多摩川線が使用する5・6番線ホームは地下1階で、島式1面2線構造。、、、、この駅は、4回の駅名改称で、開業時の駅名に戻った稀有な例だ! まず最初は、今と同じ「多摩川駅」として大正12年3月11日に開業した。 大正15年1月1日、僅か3年で「丸子多摩川駅」に改称。 その後近くに“多摩川遊園地”という遊園地が近くにできると、昭和6年(1931)1月1日「多摩川園前駅」に改称する。 さらに昭和52年(1977)12月26日には、“前”がなくなり「多摩川園駅」となる。 さてさて、それから1年半後には多摩川遊園地が閉園となり、“多摩川園”という施設が無くなった。 駅名はそのままで暫く続いたが、平成12年(2000)8月6日目蒲線の目黒線・東急多摩川線への分割とともに、“園”をとり駅名を再び「多摩川駅」に改称した。
● 多摩川駅の西側、多摩川沿いの丘陵地に約750メートルにわたって、広い区立公園「多摩川台公園」がある。 晴れた日には遠く丹沢の山並みや富士山を見ることができるらしい、今日は快晴だったが見えたのは対岸の高層ビルだけ。(先日、眼の手術をしたので、見えなくなったのかな?)
・・・・・・・・・・・・この公園の敷地内には、昭和47年(1972)まで「調布浄水場」があった、その跡地は現公園の一部となり、大田区によって整備された。 沈殿池だったところには池を作り湿性植物を植え、濾過池だったところには四季の野草などが植えられている。
・・・・・・・・・・・・高台の公園からは多摩川に架かる東横線・目黒線の橋梁が見える。
● 多摩川台公園の舌状台地の先(南側)に東急の線路を挟んで、浅間神社古墳の上に建つ「多摩川浅間神社」がある。、、、、創建は鎌倉時代の文治年間(1185~1190)と伝えられる。 源頼朝が豊島郡滝野川松崎に出陣した時、夫の身を案じた北条政子が後を追って多摩川まで来た。 その時わらじの傷が痛んだため、この地で傷の治療をすることにして逗留した際に亀甲山(かめのこやま)へ登ってみると富士山が鮮やかに見えた。 富士吉田には、自分の守り本尊である浅間神社があるので、政子はその浅間神社に手を合わせ、夫の武運長久を祈り、身につけていた正観世音像をこの丘に建てたという。 それ以来、村人たちはこの像を「富士浅間大菩薩」と呼び祀ったのが、この神社の起こりとされている。、、、、さすが“浅間神社”! 鳥居から社殿まで、富士登山にならい階段が続く登山道、年寄りには堪えるね! 現在の社殿は、昭和48年(1973)に完成した優美な浅間造り様式で、都内では唯一のもの。
・・・・・・・・・境内から眺める多摩川。 右に東急(東横線・目黒線)の橋梁、左に丸子橋、対岸は新丸子・武蔵小杉の町。
● 丸子橋をとおる中原街道(都道2号)の下(大田区田園調布本町)に、大田区最古のトンネルがある。 トンネル名は? 大きさは、幅:4m、高さ:3m、長さ:15m。、、、、中原街道のこの付近の道路指定が大正9年(1920)で、初代丸子橋の開通が昭和10年(1935)、トンネルは丸子橋の付け根にあることから、大正末期から昭和初期の間に造られたものと推定できそうだ。
・・・・・・・・・・・・トンネルの中には、“東京府”時代のものと思われる、“東”をデザインしたマンホールがある。
・・・・・・・・・・・・中原街道の下にトンネルを造り、道路を立体交差にしたのは、現在の狛江市で取水した多摩川の水を世田谷区・大田区に引き込む六郷用水を通すためと思われる。 トンネルの先には六郷用水が復元されている。、、、、綺麗な水の中をコイが泳いでる。
● 東京都大田区田園調布本町と神奈川県川崎市中原区上丸子八幡町の間に架けられている橋が、二代目の丸子橋。 橋の上は片側2車線の中原街道が通っている。、、、、昭和初期までは中原街道には多摩川を渡る橋はなく、丸子の渡しと呼ばれる渡し舟が存在していた。 初代の丸子橋は、長さ400m程、鋼トラス式タイドアーチ橋3連 + 鉄筋コンクリート上路式アーチ橋10連の橋で、昭和9年(1934)に架けられたた。、、、、現在の丸子橋は二代目、初代のイメージを踏襲したデザインで、橋長405.6m、幅員25.0mの鋼ローゼ(2連)+3径間連続PC箱桁橋である。 平成12年(2000)5月に完成。 事業費142億円。(旧橋の工事費用は約52万円)、、、、PC桁とアーチで変化をつけたデザインが、橋の長さを感じさせない歩きやすい橋。 また、大きな橋に多い、大型車が通った時の揺れも少なく、臆病な私が不安を感じることがなかった橋。
・・・・・・・・・・・・旧橋の親柱が残されてる。
● 丸子橋を渡り川崎市に入る。 新丸子駅近くを通り過ぎ、チョイト先へ行くと「京浜伏見稲荷神社」があるので、お立ち寄り!、、、、初代宮司:冨澤冠受大人之命(とみざわかんじゅうしのみこと、1905~1978)が昭和26年(1951)に京都伏見稲荷の神示により創建したとされる。、、、、『こんなところにこんなすごい稲荷があるなんて! なぜだ!』と言いたくなる神社。 商売繁盛の神の御利益は、神自身が授かっているようだ、社殿は『日本最大級の九棟稲荷造り』と自慢するスゴイ建築。
● 散歩のお帰りは「新丸子駅」から。、、、、新丸子駅は、大正15年(1926)2月14日東横線に開業した。 現在は東横線・目黒線が乗り入れる高架駅。 ホームも島式ホーム2面4線で、東横線・目黒線それぞれが使用している。
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