西小山から碑文谷
この世に生を受け70余年、長い年月東京に住んでいるが、下車する機会の少なかった東急目黒線西小山駅で降りてみることにした。 降りたら『さて、どっち方面に歩こうか?』 駅で地図を見ると、“円融寺通り”の文字が眼に入る。 『あっ!以前来たことがある大きな寺だ! ヨシ、円融寺へ行ってみよう』 これで決まり。 円融寺へ参った後は、近くに「目黒サレジオ教会」があるので、こちらにも参り。 帰りは、都立大学駅へ向かうが、途中、環七通り付近で丁度来た目黒駅行きのバスに乗る。 9千歩の散歩です。
● 都営三田線に乗り、電車はそのまま東急目黒線に乗り入れる。 『何年ぶり、イヤ、何十年ぶりかもしれない』、下車した記憶がない東急目黒線の西小山駅で降りる。、、、、昭和3年(1928)8月1日、地上駅として開業。 平成18年(2006)7月2日に地下駅となる。 平成20年には駅ビルの完成する。、、、、ピンクのホームドアが明るい感じでいいね!



● 駅前から西に向かって歩く・・・・・
・・・・・・・・・・・・西小山駅付近では、東急目黒線が品川区と目黒区のほぼ境となっている(駅を含め東急目黒線は品川区に属す) その西小山駅前に、二つの「西小山商店街」がある。 駅の改札を出て、すぐ左手(東側)見えるアーケードのある「西小山商店街」は品川区。 反対に右側(西側)の空が良く見える開放的な「西小山商店街」は目黒区。、、、、どちらも、活気ある元気な商店街らしい。、、、、私は、目黒区側の商店街を西へ歩く。



・・・・・・・・・・・・西小山商店街を抜け、目黒区原町1丁目付近で、昭和36年(1961)に立会川を暗渠化し、その後造られた立会川緑道に出る。(立会川は、碑文谷・清水の両池を水源とし、目黒区・品川区を流れ東京湾に注ぐ川) この緑道は碑文谷八幡宮から始まり、円融寺山門前を通り、西小山駅付近まで続いてる。 春には嬉しい約1kmの桜並木である。、、、、ここを歩いて円融寺山門に向かう。


● 碑文谷1丁目、立会川緑道から北側を見ると円融寺の山門が見える。 昨年の夏に寄った時は、緑豊かで森の中にあるような寺、今日は木の葉が散り晩秋の風情である。、、、、円融寺は、かつて、妙光山法服寺と称し、天台宗の寺院であった。 寺伝では仁寿3年(853)慈覚大師が法服寺を建立した。 弘安6年(1283)日蓮の弟子・日源により、日蓮宗に改宗し、妙光山法華寺と改称した。 中世から近世にかけては吉良氏や徳川氏の外護を受け、坊舎18、末寺75箇寺を数えた。 寛永7年(1630)身池対論には法華寺から日進が臨んでいる。 法華寺は不受不施派の寺院として江戸幕府の弾圧を受け、改宗を余儀なくされ、元禄11年(1698)再び天台宗の寺院となった。 天保5年(1834)経王山円融寺に改称する。、、、、広い境内に、堂宇がゆったりと配され、訪れた人には心地よい安らぎを与えると思う。
・・・・・・・・・・・・・山門は、昭和26年(1951)に品川御殿山の原邦造邸から移築されたもの。 天保4年(1833)、元播磨国の寺の山門として造られた。、、、、山門をくぐると参道が続く。


・・・・・・・・・・・・・・参道を過ぎ、仁王門の右手に平成2年(1990)に新築された鐘楼がある。、、、、梵鐘は寛永20年(1643)の鋳造。

・・・・・・・・・・・・・・参道の先には、簡素な造りの仁王門がある。 建立時期は不明だが、 唐風に和風を取り入れ、虹梁、蟇股、懸魚などにも様々な装飾が加えられている。、、、、両脇の仁王像は、永禄2年(1559)の作。(二重のガラス張りの中にあり、光が反射して仁王像の姿が見えない! どうにかして欲しいね)


・・・・・・・・・・・・・・仁王門の先には、入母屋造の釈迦堂。 釈迦堂は室町初期の建立とされ、23区内最古の木造建築でる。 明治44年(1911)に関野貞博士による調査があり、国の古社寺保存法により国宝に指定された。 戦後は、昭和25年(1950)に国の重要文化財に指定されました。 本来の屋根は茅葺きでしたが、火災予防の見地から昭和27年(1952)に銅葺きに改められた。、、、、円融寺では山門、仁王門、釈迦堂、阿弥陀堂が一直線に並ぶ伽藍配置となっている。 優美な配置は、境内の奥行の深さを感じる。


・・・・・・・・・・・・・・釈迦堂の後ろに阿弥陀堂(本堂)が控えている。 阿弥陀堂は、昭和50年(1975)の建立で、設計は佐々木嘉平、設計顧問に早稲田大学名誉教授工学博士・田辺泰をむかえ、平安朝阿弥陀堂様式に則って建設された。、、、、本尊の阿弥陀如来は、堂の扉が閉じられており姿は見えず!

● 円融寺から西へ直線で250m程に、「カトリック碑文谷教会(目黒サレジオ教会)」がある。 過去に数回訪れているが、ここまで来たら、寄らねばなるまい。、、、、、この教会は、昭和22年(1967)にここ碑文谷に創設されたサレジオ修道会によって、同29年(1954)に建築された教会である。 ローマ・カトリック教会の男子修道会「サレジオ修道会」に所属するため「サレジオ教会」と呼ばれて親しまれている。聖堂はロマネスク式で、壮大と優美の点で日本1、2を争う。祭壇には十字架のキリスト像、ヨハネ・ドン・ボスコの木像、悲しみの聖母の絵などが祀られている。奥行き47m、幅16m、高さ36m。、、、、木彫りの美しい聖マリア像に、しばしの間、恋してしまった。






● 教会から都立大学駅へ向かうが、環七通りの手前まで来ると、丁度バスが来た。、、、、乗車オーライ!
