妙法寺参詣道
東京メトロ丸ノ内線新高円寺駅から南へ歩き堀の内の「お祖師さま」(妙法寺)に立ち寄り、門前から東にのびる妙法寺参詣道(堀之内道)を歩き鍋屋横丁まで、9千歩の散歩です。 帰りは丸ノ内線新中野駅から地下鉄で帰宅。
● 丸ノ内線「新高円寺駅」から散歩はスタート。 駅の周辺には寺院が多く点在する、北には地名のごとく「高円寺」を中心に十数寺、南には「西方寺」、「華徳院」など十寺前後、南東には「妙法寺」を中心にこちらも十寺前後の寺院がある。 いずれの寺院も、大正12年の関東大震災後、昭和20年の東京大空襲などで被災し移転したようだ。、、、、さて、私の散歩はどちらに向かうかチョイト悩んだが『妙法寺によって方南町の方に歩いてみよう!』と決めた。
● 新高円寺駅から南東に向かうと、堀ノ内斎場がある、その先の大きな寺が日蓮宗の「妙法寺」、、、、落語の「堀の内」は粗忽者がココ堀之内の“おそっさま”参りを題材にしたものである。、、、、【蛇足】日蓮宗では宗祖日蓮を「祖師」として「御祖師様」と呼ぶ。 私を含め江戸っ子は「おそしさま」と発音できず、「おそっさま」となる。 発音を意識すると、頭の中で発音反復し、考えすぎて『アレ?どうだったけ?』 結局は悩み、声が詰まり、間違った発音となるのがオチだ!
・・・・・・・・・・・・今日は妙法寺本堂裏の北門(墓道門)の先に広がる墓地を見てきた、、、、見るべきものは二つ。 一つは北門から墓地に入るとスグにハナショウブとアジサイの花畑があり、今日はアジサイが迎えてくれた。
、、、、、、、、二つ目は誰ぞの墓石の手前にある「庚申塔」 “庚申”の文字と三猿が刻まれてる。 時代を示す文字は見当たらず、造立年は不明。
● 妙法寺山門前から東へ向かい環七通り「妙法寺東交差点」に出ると、通りの向かいに「和田帝釈天通り」と書かれたアーチが見えた。、、、、新高円寺駅前で予定した方南町へ行くには環七通りを南下するのだが、「和田帝釈天」も見てみたい。 地図を取り出し調べてみるが、帝釈天がどこにあるのか不明! チョイト悩んで、和田帝釈天通りを行けるとこまで行ってみることにした。
・・・・・・・・・・・・「和田商店会」の街路灯は続くが、和田帝釈天は見えない。 『どこだ!』、キョロキョロしながら歩く。 環七通りから250m程入った処に、赤い旗がなびく「和田帝釈天」があった。、、、、日蓮宗寺院の和田帝釋天は、神刀山と号します。 和田帝釋天の創建年代は不詳ながら、境内掲示では「この通りが妙法寺参道として賑わった江戸時代末期より祀られており」と記載されていた。 柴又の帝釈天をイメージした私には大いに期待外れ、ガッカリ!
・・・・・・・・・・・・帝釈天前の通りは「妙法寺参道」と知ると、この参道の始点はどこだ? 終点はもちろん妙法寺。 『もう少し、この道を歩いてみよう』と思い、先へ進む。 帝釈天から100m程東に歩くと、「妙法寺参詣道(堀之内道)」の説明板があった。、、、、説明を読むと、この道は、江戸(東京)から日蓮宗妙法寺へ向かう代表的な参詣道で、堀之内道、妙法寺道と呼ばれていた。 青梅街道から鍋屋横丁(中野区)で分かれ、堀之内村の妙法寺へと続く道であった。 明治に入り甲武鉄道(中央線)が開通すると、中野駅から妙法寺へ向かう道が開かれ(堀之内新道)、東京から歩いて向かう参詣道であったこの道の利用者は減少した。 今の時代、この道を歩いて参詣する人はいないと思うね!
・・・・・・・・・・・・とりあえず、今日の私は、方南町へ向かうことは取りやめて、この妙法寺参詣道を鍋屋横丁まで歩くことにした。、、、、青梅街道の南側を平行に進むこの道は、特筆するような特徴もない。
・・・・・・・・・・・・妙法寺参詣道に面し、杉並区和田1に曹洞宗寺院の「常仙寺」がある。 山号は石雲山。 常仙寺は、中野竜昌寺四世祥岩存吉和尚(慶長19年寂)が開山となり慶長7年(1602)麹町に創建、明治41年(1908)当地へ移転した。 存吉和尚は出家前に山麓で狼に襲われた折、鳳来寺山麓に祀られていた薬師が虎(寅)に化身して救われたことから、存吉和尚は出家、この薬師を当寺の本尊に迎えたといい、このことから「災難除けの寅薬師」と呼ばれている。、、、、平成30年(2018)本堂瓦葺き替え工事に際し、屋根には鬼師(鬼瓦を作る職人)梶川亮治氏による寅の像が据えられた!
・・・・・・・・・・・・妙法寺参詣道が鍋屋横丁通りに出た。 ここが参詣道の始点だ!、、、、交差点角には妙法寺参詣道を示す「お題目石」が残っている。 この石碑は、妙法寺参詣道の道標として享保3年(1718)に建てられたもの。 石碑正面に「南無妙法蓮華経」、脇には「是より妙法寺十八丁 ほりの内道」と彫られてる。、、、、300年程前からこの地に建てられた道案内、長いことご苦労さん!
● 今日の散歩はココまで、「新中野駅」から丸ノ内線で帰る。