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2022年10月23日 (日)

大井の井

JR大森駅から北に歩き、東大井に入り、京急の立会川駅まで、9千歩の散歩です。



● 今年は鉄道開業150年。 京浜東北線の停車場:JR「大森駅」は、鉄道開業4年後の明治9年(1876)にできた駅。 都内では新橋駅、品川駅に次いで3番目に古い駅だ!、、、、島式ホーム1面2線の地上駅。 改札口は中央口と北口の2ヶ所で、それぞれ別々の橋上駅舎内にある。、、、、今日の散歩は大森駅西口から歩くことにした。 大森駅のホーム中央には「日本考古学発祥の地」の石碑がある。 石碑の側面には『E.S.モース発掘100周年記念建立』と書かれ、以下の説明文が続く、『 アメリカの動物学者モース博士が1877(明治10年)横浜より新橋に向かう汽車の窓から 大森貝塚を発見し, これが契機となって日本の考古学が発達しました。 このブロンズは当貝塚出土の土器を約2倍に拡大したものです。 1979年12月 東京大森ロータリークラブ 東京大森ライオンズクラブ 東京都大森貝塚保存会 』、、、、今年が発見から145年目である。

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● 大森駅西口から池上通りを北へ300m程歩くと、NTTデータのビルがある。 ビルの植え込みに、「大森貝墟」碑の約二分の一寸法のレプリカがある。、、、、大森貝墟」碑の実物は、NTTデータ敷地通路奥の階段を下りた先に鎮座する。 早朝の散歩であり、民有地の敷地内に勝手に入るとヤバイので実物はパス。 近くの、品川区立大森貝塚遺跡庭園公園は開園が9時であり、こちらもパス。

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● NTTデータのビルの向かいには「大森山王日枝神社」がある。、、、、大森山王日枝神社は、遠く古のころ、土地の豪族酒井氏が、近江の国比叡山麓にある日吉神社の祭神、山王権現を当地に勧進祭祀したものである。 その後、延宝5年(1677)、円能寺が別当し、明治初年まで同寺の管理下となった。 その頃は『山王権現』又は単に『山王さま』と呼ばれ、この地を山王村と称した。 現在の地名「大田区山王」の由来である。、、、、現在の社殿は昭和28年(1953)の建設。 只今、社殿屋根改修工事中につき、残念ながら足場で覆われてる。、、、、池上通りに面しているが、境内は静かで落ち着いた佇まい。

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・・・・・・・・・・・・大森山王日枝神社とは地続きで、かつて別当であった「成田山円能寺」がある。、、、、円能寺は真言宗智山派寺院で、天正年間(1573~1592)に開創。 現在は成田山新勝寺の末寺となっている。、、、、本堂、斜め前に幼稚園が併設されており、平日はチョイト参拝しにくい雰囲気だ!

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● 池上通りを品川区に入ると、鹿島神社がある。 「大井鹿島神社」(品川区大井6)は、安和2年(969)に常陸の鹿島明神を勧請し創建したと伝えられます。 古くからの祭礼として相撲が奉納されており、当社の相撲は、渋谷氷川神社、世田谷八幡宮とともに江戸郊外三大相撲の一つとされていたそうだ(知らなかった!)、、、、現在の社殿は、設計を日本建築界の権威である帝室技芸員:佐々木岩次郎に、施工を名古屋の名匠:伊藤平左衛門氏に命じ、総工費十数万円で昭和6年(1931)に竣工した。

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・・・・・・・・・・・・また、旧社殿は文久2年(1862)の造営で精巧を極めた鎌倉彫の彫刻が施されており、これを後世に伝えるため境内末社として移設し現存する。、、、、素晴らしい彫刻が残されている、必見!

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・・・・・・・・・・・・鹿島神社の隣りには、別当であった「来迎院」がある。、、、、天台宗寺院の来迎院は、鹿島山常林寺と号す。 安和2年(969)、南品川の常行三昧寺(現、常行寺)の僧により鹿島神社と共に当寺を創建した。

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・・・・・・・・・・・・来迎院の門前、道路を挟んで向かいに「来迎院石造念仏講供養塔」がある。 元来この場所は来迎院の境内であったが、道路建設により、現在のようになった。、、、、石造念仏講供養塔は、江戸時代に行われて念仏講の供養塔です。舟形の二基の塔は、明暦2年(1656)と万治2年(1659)の建立、笠塔婆型の塔は寛文7年(1667)で、いずれも江戸時代初期のものです。 全部で10基の石仏がある。

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● 来迎時の北200m程に、延暦元年(782)、天台宗神宮寺として開創されたと伝えられ、現在は浄土真宗の「光福寺」(品川区大井6)がある。、、、、境内には、幹の周り7.2m、高さ40m、樹齢約800年の大イチョウがある。 垂れた乳もデカイ! 触って撫でると御利益ありそうだ!!

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・・・・・・・・・・・・本堂裏手、墓地の中央に、地名「大井」の由来となった井戸がある。 縁起によれば、名僧了海上人誕生の際の産湯の井戸で、今なお水をたたえてる。

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● 光福寺から道なりに北へ約300m、浄土真宗本願寺派寺院の「西光寺」がある。 西光寺は、栄松山と号し、もと麻布善福寺末。 弘安9年(1268)栄順律師が開創し、後浄土真宗に改宗した。、、、、本堂の正面で枝を伸ばす兒桜(ちござくら)という名木があり江戸名所の一つになっていた。 春の開花が楽しみだ。

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● 東海道線・京浜東北線の下を抜け、大井4丁目と南大井5丁目を結ぶ、歩行者専用の「関道地下道」。 昭和42年(1967)の竣工。、、、、以前は地上に踏切があったと思われる、事故防止のため踏切をなくし地下道にしたのであろう。 車はもちろん、自転車も乗ったままでは通れない地下道。

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● 関道地下道を抜け、東大井3丁目の町に入ると「大福生寺」がある。 天台宗寺院の大福生寺は、明治14年(1881)に宇賀神寶海和尚が目黒不動瀧泉寺を退き、 隠居の寺として日本橋蛎殻町(水天宮の近所)に一寺を建立した。 昭和24年(1949)に現在地へ移転。 東海三十三観音霊場16番札所。、、、、寺か、神社か? 入口の三角形の山王鳥居をくぐると、小さな境内に聖天がある。 御本尊は、大聖歓喜天(聖天さま)で、その他大勢として、十一面観世音、聖観世音、福生稲荷、福生弁財天、福生地蔵尊、宝性地蔵などが勢揃い!

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● 国道15号(=第一京浜)を越えて、京浜急行「立会川駅」まで歩く。、、、、立会川駅は明治37年(1904)5月8日開業。 平成2年(1990)12月2日に上下線が高架駅となる。 ホームは高架相対式2面2線構造で、3階にある(2階は改札階)。 改札口は1所のみ。、、、、大井競馬場まで、徒歩10分。 行きは近いが、負けると遠い!

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