池上線

2013年2月14日 (木)

池上線(千鳥町~蒲田)

池上線を歩いて3日目は、千鳥町駅から蒲田駅まで、1万3千歩、9kmの散歩です。・・・・・・・・・・(1日目はこちら   2日目はこちら

①千鳥町駅・・・・・・・・池上電気鉄道「慶大グラウンド前」駅として、大正15年(1926)に開業。昭和11年(1936)からは「千鳥町」に駅名を改称した。・・・・・・・・・上り/下りの両ホームに、古いものではないがレトロな感じの水飲み場が設置されていた。

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②千鳥町の質屋・・・・・・・・・・・松の木と「質 須賀」の簡潔な看板がポイントの、線路際の質屋さん。3階建ての蔵、おそらく鉄筋コンクリート造だろう。

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③千鳥町~池上間・・・・・・・・・・・池上線は第二京浜国道と跨道橋で交差するため、その前後は盛土区間となっている。

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④池上駅・・・・・・・・・・・「池上本門寺」への参拝客のための鉄道として、大正11年(1922)池上電気鉄道が池上~蒲田駅間を開通させた。 2面2線の相対式ホームで、池上線のほかの駅とも似た配置だが、駅舎は一つで構内踏切が残されている。

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・・・・・・・・・・・・ホーム上屋の骨組みは木製、ベンチも懐かしい木製

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⑤池上本門寺の門前町・・・・・・・・・・・・今日は本門寺に寄らず、山門の手前まで歩いてきた。

・・・・・・・・・・・本門寺参道の一本裏手の通りに、飲み屋さんが並んでいる。・・・・・・・・この池上4丁目付近では、かつて池上特飲街事件があった。特飲街事件とは、昭和25年(1950)、多摩川に近い武蔵新田のカフェー業者が、池上に特飲街(特殊飲食店街=赤線)を新設する計画を立て、新店舗の建築を始めた。その計画を知った地元池上の住民は猛反発し、特飲街の計画を中止に追い込んだ。

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・・・・・・・・・・・萬屋酒店・・・・・・・・・・・本門寺参道沿いに建つ、出桁造りの町や建築。明治8年(1875)に建てられた。国の登録有形文化財。・・・・・・・・・この酒屋さんで買うと、同じ酒でも美味しそうだね!

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・・・・・・・・・・・・正面が池上本門寺

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・・・・・・・・・・・・・蓮月・・・・・・・・蕎麦屋さん、昭和初期の建物。・・・・・・こちらも、文化財級だ! 小石川の進開屋に似ているね!

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⑥鳥海家住宅・・・・・・・・・・・・大田区東矢口の鳥海家住宅は、昭和12年(1937)に建てられた木造2階建て住宅。こちらも、国の登録有形文化。・・・・・・・・現在も、住まいとして使用されており、内部は見られない。

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⑦池上~蓮沼間・・・・・・・・・・・・“線路”好きの鉄道オタクには、嬉しい道路面と同じ高さの線路敷きだ。歩きながらゆっくり電車をパチリ!

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⑧蓮沼駅・・・・・・・・・・大正11年(1922)池上電気鉄道の駅として開業。池上線の中で最も乗降客の少ない駅。・・・・・・隣の蒲田駅から歩いても近いからね!

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⑨元医院・・・・・・・・・・蓮沼駅近くの元医院の建物、戦前の洋館風建築。横には高窓も見える。

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⑩西蒲田の神社・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・熊野神社・・・・・・・・・蓮沼の熊野神社は創建年代不詳。境内は広く、社務所は立派だ。

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・・・・・・・・・・・御園神社・・・・・・・・御園神社は、蒲田駅東口にあった旧八幡神社を明治期に当地へ遷座したらしい。正確な記録も無いようだ!

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⑪蓮沼~蒲田間・・・・・・・・・・・蒲田駅近くは高架となり、高架下はお店がズラリ!

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⑫蒲田駅・・・・・・・・・・・もちろん、東急の蒲田駅。頭端式ホーム5面4線の高架駅。ホームは池上線と東急多摩川線がそれぞれ2線ずつ使用している。・・・・・・・・・・池上線は大正11年(1922)池上電気鉄道線として池上駅まで開通。目蒲線(現:東急多摩川線)は大正12年(1923)目黒蒲田電鉄として沼部駅まで開通。・・・・・・・朝のラッシュ時はJRへの乗り換えで、メチャメチャの混雑状態だ。

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●付録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・我が家(浅草橋)の近くに、隈 研吾(くまけいご)の設計による新しいビルが建ち、1階にドコモショップがオープンした。 なんと、あら、珍しや!ちんどん屋だ! しかも、若いちんどん屋。 いいね!

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2013年2月11日 (月)

池上線(旗の台~千鳥町)

先日の続きで、池上線の旗の台駅から千鳥町駅まで、1万8千歩、12kmの散歩です。

①旗の台駅・・・・・・・・・・北口と比べ、南口は近代的な駅舎だ。高架上には6両編成の大井町線が走り、高架下の地上ホームは3両編成の池上線が使用している。

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②旗の台伏見稲荷神社・・・・・・・・・・南口駅前に“稲荷通り”と称する商店街があり、その端に、大正15年(1926)に創建された「旗の台伏見稲荷神社」が祀られている。・・・・・・・・太平洋戦争の折、この神社に出征祈願し戦地に赴いた120名は、全員が生還したと言われる。 ありがたい神社だ。

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③旗の台一の橋・・・・・・・・・・・池上線旗の台駅~洗足池駅間は、かつて東京オリンピックのため、環七通りとの交差点を地下化して道路下にもぐらせる工事が行われた。そのため、旗の台~洗足池間は深い切通しを走ることとなった。・・・・・・・・その結果、オリンピック以前は踏切であった、「旗の台一の橋」の地点には跨線橋が造られた。橋の工事はオリンピックに間に合わず、昭和43年(1968)に竣工した。・・・・・・・・・・道路の突き当りに、階段が現われ、線路を跨ぐ形状だ!

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④長原駅・・・・・・・・・・・・・昭和2年(1927)、池上電気鉄道の長原駅として開業した。昭和47年(1972)に地下駅となる。

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⑤鳳凰閣・・・・・・・・・・・・・東洋文明の啓蒙活動を行っていた清明会が昭和8年(1933)に建てた清明文庫の本館で、戦後は「学研」の所有となり鳳凰閣と称していた。・・・・・・・・正面玄関の上部に4本剱のように立つ柱型、その間を埋める幾何学模様の飾りなど、ネオゴシックスタイルの貴重な建築だ。国の登録有形文化財にも指定されている。・・・・・・・・・東日本大震災の後、耐震性の問題から取り壊しが検討されたが、歴史的に価値ある建物なので大田区が購入したようだ。 これで、壊されず、保存され、よかった、よかった。 でも、金網に囲まれ、内部を拝見できるのは何時になるのか? 

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⑥洗足池・勝海舟の墓・・・・・・・・・かつて池のほとりに勝海舟晩年の邸宅「千束軒」があった。建物は戦災で焼失し、現在は勝夫妻の墓が残っている。・・・・・・・・・墓の隣りには、「西郷隆盛留魂祠(りゅうこんし)」が建つ。これは、西郷が西南役に倒れた後、当時の東京府南葛飾郡の浄光院境内に勝が自費で建てたもの。1913年(大正2)に荒川放水路開鑿に伴い、当地に移建された。

・・・・・・・・・・・・・勝海舟の墓(右が海舟、左が夫人)

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・・・・・・・・・・・・・西郷隆盛留魂祠

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・・・・・・・・・・・・・洗足池

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⑦妙福寺祖師堂(旧七面大明神堂)・・・・・・・・・・・洗足池の東池畔に位置する妙福寺。ここの祖師堂は、天保4年(1833)に建てられた。国の登録有形文化財。

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⑧洗足池駅・・・・・・・・・・・昭和2年(1927)、池上電気鉄道洗足池駅として開業。

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⑨東雪谷付近の住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・洗足池駅近くでは、池から水を引いて水路で車と人を分離。いいね!

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・・・・・・・・・・・所々に、懐かしさを感じる家も!

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⑩笹丸橋・・・・・・・・・・昭和2年(1927)竣工。平成15年(2003)に補強工事が実施されたが、橋の全体像は竣工当時のままだ!(写真でブルーの部分は水道管らしい)

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⑪石川台駅・・・・・・・・・相対式ホーム2面2線を有し、上下別に駅舎がある地上駅。昭和2年(1927)池上電気鉄道“石川”駅として開業し、翌年、“石川台”駅に改称した。・・・・・・・・・・昭和の雰囲気がかなりプンプン匂う駅だ!

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⑫雪ヶ谷八幡神社・・・・・・・・・石川台駅前の小高いところに鎮座する八幡神社。創建は永禄年中(1557~1569)と云われており古いそうだ。・・・・・・・・・社殿は戦災で焼失し、昭和34年に、鉄筋コンクリート造で再建された。

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⑬南雪谷の急な坂・・・・・・・・・もちろん、車もダメ!

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⑭雪が谷大塚駅・・・・・・・・・・大正12年(1923)、池上電気鉄道の雪ヶ谷駅として開業した。昭和18年(1943)雪ヶ谷大塚駅と改称し、昭和41年には雪が谷大塚駅となった。・・・・・・・・・・駅の蒲田寄りに雪が谷検車区がある。

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⑮御嶽神社・・・・・・・・・・御嶽山駅の北側に北嶺町に鎮座する、天文4年(1535)創建の神社。 天保年間(江戸時代後期)には、木曾御嶽山(おんたけさん)で修業をされた行者が来社して以来信者が激増し、天保2年(1831)に現在の大きな社殿を建立した。・・・・・・・御嶽山、サマサマの神社だな。

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⑯御嶽山駅・・・・・・・・・・・相対式ホーム2面2線で、改札は別々の地上駅。大正12年(1923)、池上電気鉄道御嶽山前(おんたけさんまえ)駅として開業し、昭和4年(1929)に“前”をとり、御嶽山駅とした。・・・・・・・・・・蒲田寄りの線路の真下を東海道新幹線、横須賀線・湘南新宿ラインが走っている。

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⑰久が原駅・・・・・・・・・こちらも、大正12年(1923)、池上電気鉄道の末広駅として開業。その後、東調布駅、久ヶ原駅と改称し、さらに昭和41年(1966)久が原駅に改称した。

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⑱久が原教会・・・・・・・・・・・・チョイト見には、屋根の大きな教会と思った。前まで行くと、会堂は2階の屋根裏のような位置に在ると判り、さっそく中を見せてもらった。・・・・・・・・・やはり、屋根裏の位置にあり、開口部は足下に押し出しの窓がある。珍しい建物だ。・・・・・・・・・・建て替える前までは、建築家:故山口文象の設計による会堂があったが、昭和37年現在の会堂に改築された。

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⑲千鳥町駅・・・・・・・・・・大正15年(1926)池上電気鉄道の慶大グランド前駅として開業し、昭和11年(1936)に千鳥町駅と改称した。

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●・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日はココまで!

2013年2月 5日 (火)

池上線(五反田~旗の台)

五反田駅から池上線の線路に沿い、行ったり、来たりしながら旗の台駅まで、1万2千歩、8kmの散歩です。

①池上線五反田駅・・・・・・・・・・・・・山手線の高架ホームよりさらに高い位置にある、1面2線の島式ホームを有する高架駅。 地上8階建ての東急五反田ビル(東急ストア―)の4階に池上線ホームが直結している。・・・・・・・・・・昭和3年(1928)、池上電気鉄道の駅として開業した。

・・・・・・・・・・・・写真:山手線右側の階段を上がると池上線の改札につながる。

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・・・・・・・・・・・・ビル4階の池上線改札。改札の位置までがビルの中で、先のホームは山手線の上だ!

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・・・・・・・・・・・・改札からホームまでの上屋はアーチ状の梁がある鋼製で、3両編成の電車が止まるホーム部分の上屋は木製だ、どちらも昭和レトロの味を残している。

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・・・・・・・・・・・・ホームの先端は目黒川の上だ!

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・・・・・・・・・五反田駅ホーム下の橋脚は、日本海を走る山陰線の旧餘部鉄橋(最近新しい橋梁に変わった)と同じトラス構造で、昭和3年(1928)に架橋。

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・・・・・・・・・・・・駅を出て目黒川を越える池上線

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②山手通りを跨ぐ池上線・・・・・・・・・・只今、山手通りの拡張工事と、池上線の橋梁の付け替え工事を実施中。・・・・・・・・・・工事の関係で、ゴチャゴチャの状態だ!

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③大崎広小路駅・・・・・・・・・・・昭和2年(1927)、池上電気鉄道の桐ヶ谷駅(廃駅)~大崎広小路間が開業し、池上線の五反田方の終点となった。 当駅から五反田駅までは、目黒川を渡るだけなので、徒歩で連絡する予定で開業した。・・・・・・・・・・山手通りに面した出入り口しかなく、小さな駅だ! こちらも、駅の改良工事を実施中のため、ゴチャゴチャ状態だ。

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・・・・・・・・・・・・大崎広小路駅の先にあるガード

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④谷山橋・・・・・・・・・・・・“たにやまばし”ではなく、“ややまばし”と読む。大崎4丁目の跨線橋だが、“むくり”が大きくまるで太鼓橋のようだ!

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⑤戸越の裏道・・・・・・・・・・・・・・“裏道”の好きな男です。今日もチョイト歩いてみた!

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・・・・・・・・・・・・発見!・・・・・・・・今どき、廃墟・廃屋にならあるが、人が住む住宅の窓として利用されている“木製の両開き窓”。・・・・・・・・4か所の蝶番に錆がなく、手入れされていることが判る。 小さな懐かしさを感じた窓だ!

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⑥切土区間を走る池上線・・・・・・・・・・・・

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⑦戸越銀座駅・・・・・・・・・・・・昭和2年(1927)開業の地上駅。・・・・・・・・・・・駅前から東西1kmに伸びる戸越銀座商店街は、「○○銀座」の元祖で昭和2年に命名された。・・・・・・・・・・木造の駅舎も当時のままかも?

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⑧平塚たけのこ公園・・・・・・・・・掘割化された池上線線路上に蓋を掛け公園にした。公園には、踏切と線路がデザイン化されている。・・・・・・・・・電車は公園の下を走る

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⑨荏原中延駅・・・・・・・・・・・・昭和2年(1927)に開業して以来、戸越銀座駅と同じように地上駅であったが、平成元年(1989)に近代的な地下駅となった。

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⑩荏の花温泉・・・・・・・・・旗の台に在った寺社造りの趣のある銭湯。・・・・・・・・・銭湯の主人が亡くなられたため休業していたが、どうやら廃業したようだ。・・・・・・・・・・都内の銭湯の利用者は高齢化したが、銭湯の主人も高齢化し後継ぎが居らず、結局廃業となるようだ。・・・・・・・・・・・・我が家(浅草橋)の近くにも数軒の銭湯があるが、利用するのは、我が家の婆さん(おふくろ)と近所のお年寄りが中心のようだ!

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⑪旗の台駅・・・・・・・・・・現在は、大井町線と池上線が立体交差しており、上部に大井町線ホーム2面4線、下部に池上線のホーム2面2線を有する乗換駅。・・・・・・・・・・昭和2年(1927)7月、目黒蒲田電鉄大井町線東洗足駅が開業し、同年8月に池上電気鉄道旗ヶ岡駅が開業した。両駅は近くではあったが、会社も別で、駅も別であった。昭和26年(1951)、東急の駅となっていた両駅を移動し旗の台駅とした。・・・・・・・・・・池上線のホームは、数段の階段を上るとホームとなる“優しい”駅だ。ここも木造のホーム上屋でうれしいね!

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●・・・・・・・・・・・・・・本日はここまで!