暖かな春の陽気を期待して、昨日(2/14)から一泊で安房鴨川に行ってきた。 夫婦二人旅なので、宿と清澄寺・誕生寺の2か所の行先だけは決め、年寄りの、のんびり気まま旅とした。
● 9時に東京発の特急で約2時間、11時に外房線の終着駅「安房鴨川」に到着。 ポカポカの春を期待したが、ホームに立つと、ヒエビエとした冬の出迎えを受ける。、、、、安房鴨川駅は、線路は繋がっているが、内房線と外房線それぞれの終着駅である。 それゆえ、当駅から発車するのは全て上り列車、到着するのは全て下り列車。 クイズに出そうな駅だ!、、、、大正14年(1925)7月11日、北条線(現在の内房線にあたる)の駅として開業。 昭和4年(1929)4月、房総線の安房鴨川延伸により北条線を房総線に編入し、安房鴨川駅は房総線の駅となる。 昭和8年(1933)に房総線が当駅で房総西線と房総東線に分割される。房総西線所属駅となる。 昭和47年(1972)には路線名称変更により、房総西線が内房線、房総東線が外房線となる。
● 『ちょっぴり寒いけど、どこへ行こうか?』 『街並み拝見は?』 とりあえず、駅前の観光案内所で聞いてみると、『見るべき街並みは無いですね。 一にシーワールド、二、三もシーワールド、これしかないですよ!』 そこまで言われて行かないと、『何しに鴨川へ来たの?』と言われそう。、、、、寺巡りは明日にして、今日は鴨川シーワールドへ行くことにした。
● テレビを見ていると、イルカ、アザラシなどが海岸に接近すると、その捕獲・保護などのニュースで、年に数回はここ「鴨川シーワールド」が登場してくる。 結構有名な施設だが、動物園?、水族館?となると、私の年齢ではあまり面白くないかも、入館にチョイト躊躇した。 同行する妻は『寺よりイルカ』、嬉しさを笑顔で表しチケット購入。、、、、入ってビックリ、見てビックリ、入館料2700円(老人一人)も安く感じた大規模レジャー施設であった。、、、水族館を回り、イルカ、シャチのショーを見て、孫の土産をチョット買い、楽しむこと4時間。
・・・・・・・・・・ショーが始まる時間になると、広い館内から人がゾロゾロ・魁傑ゾロ、『平日なのに、こんなに大勢の人が来てるのか!』 若いカップルも多い、平和な日本を感じる一瞬。
● 今日のお宿は、安房天津駅に近い旅館。 風呂に入って疲れを癒し、海鮮づくしの料理を食し、あとは寝るだけ、一夜の終わり。
● 今日(2/15)は昨日より厳しい寒さ、風も強いので宿から清澄寺までタクシー利用。 20分程で山門前に到着。、、、、「清澄寺」は、千光山と号し、鴨川市清澄にある日蓮宗の大本山の一つ。 「清澄寺」は“せいちょうじ”と読む、恥ずかしながら、私はこれまで“きよすみでら”と呼んでいた。、、、、日蓮が出家得度および立教開宗した寺とされ、総本山久遠寺(山梨県身延)・大本山本門寺(東京都池上)・大本山誕生寺(千葉県鴨川)とともに日蓮宗四霊場と呼ばれてる。、、、、清澄寺は、天台宗の寺として不思議法師が刻した虚空蔵菩薩像を祀り宝亀2年(771)に開基、慈覚大師円仁が僧坊12祠堂25を建立し、房総第一の大寺としたといいます。天福元年(1233)には小湊出身の日蓮聖人が当寺に入門、建長5年(1253)には当山旭の森で立教開宗の第一声をあげています。その後徳川家康公の帰依を得た真言宗の僧侶仲恩坊頼勢法印が当寺を真言宗の寺として再興、10万石の格式と、寺領500石の御朱印状を受領、京都醍醐三宝院別院となり本山格の寺院だったといいます。明治維新後の廃仏毀釈や台風による被害などもあり衰微、昭和24年に日蓮宗に改め、宗祖日蓮聖人出家得度・立教開宗の霊跡、日蓮宗大本山となっています。、、、、天台宗に始まり、真言宗、日蓮宗と移り変わった清澄寺は変わり身が早いのか?
・・・・・・・・・・ 大本山なので、多くの信者がバスなどで参拝に来ているものと想像していたが、私たちが到着した朝9時には誰もいない!(門前の茶屋もシャッターが下りてる) コロナ禍の影響か? それとも、信者離れか? 寂しい大本山。 私たちが参拝を終えた頃、何人かの人が参拝に来た!
・・・・・・・・・・ 文久3年(1863)建立の「仁王門」、、、、阿像(那羅延金剛)と吽像(密迹金剛)を祀る。大棟には十六葉菊紋が付され真言宗時代の格式の高さが窺える。
・・・・・・・・・・ 天和2年(1682)の建立と伝えられる「本堂(摩尼殿) 」、大堂とも呼ばれる。
・・・・・・・・・・ 「中門」は正保4年(1647)に建てられ天保8年(1837)に改修された、茅葺の四足門である。
・・・・・・・・・・ 清澄寺門前のバス停から見た景色、、、、歌川広重が描いた景色と同じだ! 遠くに仁右衛門島も見える。
● 清澄寺から山を下り、今度は誕生寺へ向かう。 安房鴨川駅の隣り駅「安房天津駅」からバスに乗る。、、、、昭和4年(1929)4月15日に開業した、現在は無人駅。 一日当たりの乗降客数は200人に足りず、チョイト寂しいね!
● 清澄寺の次は「誕生寺」、、、、誕生寺入口のバス停から小湊の海沿いを歩き、旅館・ホテルが並ぶ通りに面して誕生寺がある。 日蓮宗寺院の誕生寺は、小湊山と号し、日蓮宗の大本山。 誕生寺は、日蓮の誕生を記念して出身地に建立された寺である。、、、、建治2年(1276)、日蓮の弟子の日家が日蓮の生家跡に高光山日蓮誕生寺として建立。 しかし明応7年(1498)の明応地震、元禄16年(1703)の元禄地震と2度の大地震、大津波により現在地に移転した。 現在、生家跡伝承地は沖合いの海中にある(日蓮は海の中で生まれたか?)。 その後、水戸光圀の外護を得て七堂伽藍を再興し、小湊山誕生寺と改称した。 宝暦8年(1758)に、仁王門を残して焼失し、天保13年(1842)に現在ある祖師堂を再建した。
・・・・・・・・・・ 総門を入り、まずは大きな「仁王門」、、、、間口8間、母屋造二重門で宝永3年(1703)の建立。 宝暦の大火の際焼け残った誕生寺最古の建造物。
・・・・・・・・・・ 仁王門をくぐると正面に「祖師堂」が構えてる。、、、、天保13年(1842)建立の入母屋造、総欅造り、高さ95尺(高い! ??m)。 建材は江戸城改築用として、伊達家の藩船が江戸へ運ぶ途中遭難し、譲りうけたもの。
● 清澄寺・誕生寺と参拝を終え、内浦湾(小湊)を眺めながら安房小湊駅へ向かう。
● 帰りは「安房小湊駅」から乗車。、、、、安房小湊駅は、昭和4年(1929)4月15日に開業。 単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の計2面3線を有する地上駅。 特急も停車する駅だが、一日当たりの乗降客数は300~400名程。
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