近江商人の町(2)
近江旅行の2日目は、近江八幡駅前のホテルを出て、午前中に五個荘(ごかしょう)の街並みを歩き、午後は再び近江八幡に戻り近江八幡市内の散策、夕方にJRで京都に出て新幹線にて帰京。 チョイト厳しい行程だった。
● 朝9時、通勤通学客が利用する近江鉄道五個荘駅に降り立つ。 駅はもちろん無人駅。 運転手さんが改札係を兼務。 駅前には、コンビニ、喫茶店、パチンコ屋など一切なし! あるのは、町の中心に向かう道路と民家。
・・・・・・・・・・ 五個荘の街並みに向かう途中、旧中山道(こんなところに中山道(?)東海道ではありません)に面して「旧五個荘郵便局」(国登録有形文化財)の建物がある。 大正14年(1925)に建てられた幾何学的デザインの郵便局は、昭和39年(1964)まで使用された。
● 駅から徒歩30分程で「五個荘金堂の街並み」(重要伝統的建造物群保存地区)がある。(注:“五個荘金堂”とは地名である)、、、、五個荘金堂地区は、近代日本経済の基礎を築いた近江商人の発祥地として広く全国に知られ、現在も商人たちの本宅と伝統的な農家住宅が調和のとれた美しい町並みをつくり出している。 五個荘金堂地区の歴史は古く、奈良時代に寺院が建てられている。 江戸時代には、大和郡山藩の金堂陣屋を中心に古代の条里制地割に沿って、弘誓寺や勝徳寺・浄栄寺などが町の周囲に配置され、集落が形成された。 五個荘金堂地区の近江商人は、主に江戸時代後期から明治・大正・昭和戦前期にかけて、呉服や綿・絹製品を中心に、革新的商法によって商圏を全国に広げた。
● 五個荘金堂の近江商人屋敷「外村繁邸」、「中江準五郎邸」、「藤井彦四郎邸」も拝見。
・・・・・・・・・・ 外村繁邸、、、、外村繁は、昭和10年「草筏」が芥川賞候補、昭和13年池谷賞を受賞、昭和31年(1956)「筏」が野間文学賞を受賞した滋賀を代表する作家。 外村宇兵衛家の分家として江戸時代末期に建てられた屋敷で、総面積2395平方メートル・建物面積496平方メートルもあり、門を入ると川の水を取り入れた川戸と呼ばれる水屋があり、玄関に続く石畳の右手には広い庭がある。
・・・・・・・・・・ 中江準五郎邸、、、、中江準五郎は、大正時代から戦前まで朝鮮半島で次々に百貨店を開設し『百貨店王』と呼ばれた三中井一族の末弟中です。 屋敷は切妻瓦葺で、蔵が2棟あり、庭は池泉回遊式で池のまわりには石灯籠や巨石を配しています。 蔵には、滋賀県唯一の郷土民芸品「小幡人形」が常設展示されています。
・・・・・・・・・・ 藤井彦四郎邸、、、、五個荘町大字宮荘の出身で、「スキー毛糸」で知られる豪商、藤井彦四郎(1876~1956)の生家でもある旧宅。 現在は資料館として、総面積8155.3m2の中に屋敷・土蔵・展示館があり、現在の日本経済の礎を築いたといわれる近江商人の暮らしぶりはもとより、歴史や商法などがわかりやすく展示されている。 この旧宅は、住居というより迎賓館的に建てられたらしい。
● 五個荘駅に戻り再び近江鉄道で近江八幡駅に向かう。 JRの近江八幡駅(近江鉄道の駅舎はホームの上)は立派!
● 近江八幡市内は建築家ヴォーリズ夫婦が住んだ地で、町の随所に彼の作品が残されている。
・・・・・・・・・・ ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories、日本名:一柳米来留〈ひとつやなぎ めれる〉、1880/10/28~1946/5/7)は、米国に生まれ、日本で数多くの西洋建築を手懸けた建築家、社会事業家、キリスト教信徒伝道者。、、、、明治38年(1905)、滋賀県立商業学校に英語教師として八幡町(現:近江八幡市)に着任。 宗教活動が問題となり学校を去る。 その後、関西を中心に建築家や事業家として活動を広げた。 明治41年(1908)、京都で建築設計監督事務所を設立し、日本各地で西洋建築の設計を数多く手懸けた。学校、教会、YMCA、病院、百貨店、住宅など、その種類も様式も多彩である。 大正2年(1913)には、病気療養のため米国へ帰国し、メンソレータムの創業者:ハイドと再会し、日本でのメンソレータム販売代理店となる。 ヴォーリズ合名会社(のちの近江兄弟社)の創立者となる。
・・・・・・・・・・ 急ぎ足で回ったヴォーリズ建築 写真の順に、日本基督教団近江金田教会(1950)、吉田悦蔵邸(1913)、ウォーターハウス記念館(?)、ハイド記念館(1931)、ヴォーリズ記念館(ヴォーリズの居宅)、旧八幡郵便(1921)、アンドリュース記念館(1907)、旧近江兄弟社 地塩寮(1940)、日本基督教団 近江八幡教会(ヴォーリズが建てた最初の教会の跡地)
・・・・・・・・・・ メンソレータムの本家:近江兄弟社本社1階ロビーを「メンターム資料館」として開放し、創業者であるウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏の歩んだ足跡を写真パネル展示している。 チョイトお立ち寄り。、、、、メンタームはその昔「メンソレータム」と呼んでいたが、現在はロート製薬の商標となっている。、、、、本社建物の向かいにはヴォーリズの像もある(鼻筋とおったいい男だ!)
● ヴォーリズの建築を堪能し、もう一つ近江八幡の古い街並みも拝見。、、、、近江八幡市は、豊臣秀次が築いた城下町を基礎として、近世は商業都市として発展した。いわゆる近江商人の発祥の地である。 近世の風情がよく残る新町通り、永原町通り、八幡堀沿いの町並みおよび日牟禮八幡宮境内地は「近江八幡市八幡伝統的建造物群保存地区」の名称で国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されており、時代劇の撮影場所としてもよく使われる。、、、、見何処の多い町で時間が足りない、また来よう!
● JR近江八幡駅から京都に行き、新幹線で東京へ、、、、チョイト疲れた!!